あの織田信長に畳を卸した商家“喜多七右衛門”の旧宅と庭園。その歴史的空間は国際芸術祭“BIWAKOビエンナーレ”の発信拠点として活用中!
禧長(旧喜多七右衛門邸)庭園について
【通常非公開】
「禧長」(きちょう)は国の重要伝統的建造物群保存地区『近江八幡』の町並みの一角に建つ古い町家/商家建築。あの織田信長にも畳を卸していたという商家「喜多七右衛門」の旧邸で、大きな伽藍石が印象的な庭園があります。
『ラコリーナ近江八幡』や『教林坊』をはじめとする寺院など「近江八幡市の庭園」は紹介していたけれど、近江八幡の中心部(重伝建地区)の町家・商家の庭園をちゃんと見たことがなかった。
2022年秋、国際芸術祭『BIWAKOビエンナーレ』で現代アートを楽しみつつ会場として活用された古民家の庭園も見学。そのうちの一つが禧長。
先に紹介した『寺本邸』は近江八幡の地場産業“瓦”(八幡瓦)の製造を営む商家だった一方で、喜多七右衛門家は安土桃山時代に織田信長の命ではじまった畳の生産に従事し、江戸時代から畳・麻網などの卸売業を営んでいたという商家。なんと織田信長本人にも喜多七右衛門が卸していたとか!
そんな由緒ある旧宅は現在「BIWAKOビエンナーレ実行委員会事務局」として活用され、この国際芸術祭の拠点に、そして展示会場に。
映り込んでいる作品はそれぞれ、給田麻那美さん(離れ:7枚目)/横山翔平さん(主座敷:8枚目)/江頭誠さん(主屋2階:10枚目)/海野厚敬さん(主屋奥座敷:12枚目)/田中太賀志さん(庭:14枚目)。
建築や庭園の年代に関する情報はないけれど、平屋〜二階建ての和風建築〜コンクリート建の部屋(非公開)と並んでいて、江戸時代〜近代/昭和にかけて増築・改変されていったお屋敷といった感じ。
庭園もエリアでいうと3箇所。主座敷と“永原町通り”の間の坪庭/主座敷の前の庭園/そしてコンクリート建の部屋の前に広がる、水の流れのあるお庭。
中でも主座敷前の庭園は沓脱石や伽藍石、そして真正面に見せている平たい庭石など巨石ばかりで、喜多七右衛門家の“格”が感じられます。次回ビエンナーレで訪れた方は庭園にも着目してみて。
(2022年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR琵琶湖線 近江八幡駅より約2.5km(徒歩30分弱)*駅にレンタサイクルあり
近江八幡駅より路線バス「八幡堀八幡山ロープウェー口」バス停下車 徒歩1分
〒523-0847 滋賀県近江八幡市永原町元66 MAP