アート展でも不定期公開される“半夏生の寺”。藪内流5代目・藪内竹心が作庭の池泉回遊式庭園は京都府指定名勝。
建仁寺 両足院庭園について
【不定期公開】
「両足院」(りょうそくいん)は京都を代表する寺院の一つ『建仁寺』の塔頭寺院。桃山時代以降に作庭された複数の庭園があり、そのうち藪内流5代目・竹心紹智が作庭の池泉回遊式庭園の“書院前庭”は京都府指定名勝となっています。半夏生が初夏に咲き誇る“半夏生の寺”としても有名。
*2020年6月、半夏生が咲きほこる季節にも拝観しました。こちらの記事で写真を別で紹介しています。
半夏生の見頃と年末年始の特別公開期間を除くと通常非公開ですが、アート関連の展示会としてよく利用されており、2015年には『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』の開催時に拝観(それ以降の年も毎年?会場になっています)、2019年はレクサスと電通によるアート・プロジェクト『LEXUS NEW TAKUMI PROJECT』の展覧会の際に久々に拝観しました。なお別会場(平安神宮)では建築家・隈研吾さんや谷尻誠さんの携わった作品も。
両足院は室町時代、龍山徳見禅師を開山として創建。戦国時代の終わり頃には大名・黒田長政とゆかりがあり、現在毘沙門天堂で祀られている毘沙門さんは黒田家より寄進されたもの(明治時代の黒田伯爵家より)。その他寺宝として長谷川等伯筆による襖絵などが所蔵されています。
今回の展示、「前に来た時と入場してる門が違うような…?」と思ったのですがこの⽩砂と苔が美しい“唐⾨前庭”はやはり普段の特別公開時には非公開のエリアだった!
桃山時代作庭という一面の苔の美しい“方丈前庭”を抜けると、京都府指定名勝の“書院前庭”です。作庭は茶道藪内流5代目・藪内竹心。訪れたのも久々だったし、秋に訪れたのも初めてだったので――こんなに紅葉がきれいな庭園だったんだ!築山の背後ももう少し鬱蒼としていた印象があったけれど、今回はすっかり明るく美しい庭園になっていた。
今回は書院の中で作品を見るところまでが順路で庭園を歩くことはできなかったのですが、庭園は茶室“水月亭”、“臨池亭”へと続きます。“水月亭”は織田有楽斎による国宝茶室『如庵』の写しとして明治43年に造られたもの。建仁寺塔頭の『如庵』の写しとしては、『正伝永源院』の茶室もそう。
今回両足院で鑑賞した『TAKUMI CRAFT CONNECTION』。中でも書院の中を彩った切り絵作家・望⽉めぐみさんとガラス作家・十川賀菜子さんの『間 – あわい』と、伝統工芸“加賀水引”の5代目・津田六佑さんと林智子さんによる『暗香透影 – あめつちのむすび』には目を引かれました。今後も特別拝観時以外にも展覧会があれば足を運びたい!
(2012年1月、2015年5月、2019年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
京阪本線 祇園四条駅より徒歩6分
阪急京都線 京都河原町駅より徒歩8分
最寄りバス停は「東山安井」バス停 徒歩4分
〒605-0811 京都府京都市東山区大和大路四条下ル小松町591 MAP