関東を代表する“日本三大稲荷”の神社には、国指定重要文化財の本殿や伊東忠太建築、岩城造園による庭園も。
笠間稲荷神社庭園について
「笠間稲荷神社」(かさまいなりじんじゃ)は京都『伏見稲荷大社』や愛知『豊川稲荷』などと並び“日本三大稲荷”に挙げられ、年間300万人の参拝客が訪れる関東を代表するお稲荷さん。江戸時代末期の1860年頃に再建された御本殿が国指定重要文化財となっています。2019年夏に約10年ぶりに参拝しました!
その歴史は社伝では飛鳥時代の651年。それ以後当地で厚く信仰され、江戸時代に入ると歴代の笠間藩主をつとめた松平家(後に丹波篠山藩主)、戸田家(後に松本城主)、浅野家(『忠臣蔵』で有名なのちの赤穂藩主)などが各地に転封した後もその先に分霊をまつって稲荷神社を建立。赤穂の大石内蔵助の旧宅跡にある『大石神社』もその一つ。
江戸時代中期に笠間城主となった井上正賢や牧野貞通によって境内が現在のように整えられていきました。
国重文の本殿は『笠間稲荷美術館』へ向かう道の途中に横からしか見られませんが、当時の笠間で名匠と言われた後藤縫之助の作「三頭八方睨みの龍」「牡丹唐獅子」、弥勒寺音八と諸貫万五郎の作「蘭亭曲水の図」など精巧な彫刻がうかがえます。なお朱色の拝殿は昭和35年の建築。
なお今回久々に行った目的の一つとして、岩城亘太郎の創業した岩城造園によって1995年(平成7年)に作庭された“参集殿”の庭園というのがあったのですが…そちらは非公開。参集殿のある「稲光閣」は街のイベント等でも用いられています。
ご祈祷の際など拝殿から稲光閣へ向かう途中に冒頭の滝石組が見られる池泉庭園があります。岩城造園、笠間稲荷で“随處楽園庭園”というのを手掛けられているようなのだけど参集殿の庭園なのか、こちらなのか…気になる。
そして境内奥には奈良・正倉院を模して建築され、1981年に開館した『笠間稲荷美術館』も。その一角にも池泉式庭園があるーーのですが、更に伊東忠太により設計された“瑞鳳閣”という建築もあったんですね…見逃した。次回行く時には見逃さずに。
(2010年5月、2019年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR水戸線 笠間駅より徒歩20分弱(※駅前にレンタサイクルあり)
笠間駅・友部駅から周遊バス「稲荷神社」バス停下車すぐ
〒309-1611 茨城県笠間市笠間1 MAP