勧修寺庭園“氷池園”

Kaju-ji Temple Garden, Kyoto

平安時代に作られた京都屈指の古庭園”氷池園”。国重文の書院の前庭には水戸黄門ゆかりの石灯籠も。

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勧修寺庭園“氷池園”について

「勧修寺」(かじゅうじ)は平安時代に創建され1,000年以上の歴史を持つ寺院で、平安時代に作られた「氷室の池」を中心に造園された広大な池泉回遊式庭園「氷池園」があります。京都市指定名勝。

醍醐天皇が生母・藤原胤子の菩提を弔うために創建した勅願寺で、以来皇室や藤原氏の庇護を受けて栄えたそうですが、室町時代の中頃に起こった「応仁の乱」による戦災で一時は荒廃。その後江戸時代に将軍・徳川家と皇室の援助により復興し、それ以来は皇室から法親王が入る門跡寺院としての格式を誇りました。

中でも江戸時代初期に明正天皇の旧御殿を移築した「勧修寺書院」は国指定重要文化財となっており、また書院の前に這っているハイビャクシンは樹齢750年を超えるとも言われます。その中に建つ雪見灯籠「勧修寺型灯籠」は徳川光圀公(水戸黄門)により寄進されたもの。なおこの書院前庭は書院がこの地に移築された江戸時代初期の作庭。

そして境内の大部分を占める「氷室の池」を中心とした池泉回遊式庭園は『勧修寺氷池園』と言われます。歴史上は京都で現存する中でも古い部類に入る庭園で、三方の山の借景が美しい。早春に訪れたのでまだ見頃の花はなく桜にもすこーし早かったのだけれど…夏にかけて菖蒲や蓮の花がきれいになるそう。また別の時期に訪れたいなー。なお池の畔に建つ楼閣建築(観音堂)は比較的新しい建築で昭和年代に完成したもの。

ちなみに池の周囲を巡っていると「この先行くのは自由ですが、大いに危険」という看板が――くぐれるぐらいの高さで掛かっている。行ってみなよ…って言われてるような気分になるよね(笑)実際、植栽の管理があまり出来ていないエリアだと思ったけれど――(夏場は虫とかも多いかも)、池泉庭園の奥の護岸の石組などを観に行くことも可能。気をつけながら是非。

(2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄東西線 小野駅より徒歩7分

〒607-8226 京都府京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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