浄楽園

Jorakuen Garden, Fukushima

京都・金閣寺の出入り庭師・玉根徳四郎さんが作庭を手掛けた、吾妻小富士の借景が美しい池泉回遊式庭園。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

浄楽園について

「浄楽園」(じょうらくえん)は福島市の郊外にある2.5万平方メートルという広さを誇る日本庭園で、そのキャッチフレーズは“東の花見山、西の浄楽園”。作庭は長らく京都『金閣寺庭園』の庭園管理に携わり、文化財庭園保存技術者協議会の代表を務める「平安林泉」の玉根徳四郎さんが手掛けました。

昨秋に足を運んだ『御倉邸』『杉妻会館』の庭園を紹介した際に、福島市の日本庭園ってあまり印象がない――ということをつぶやいたところでこちらの庭園をご紹介いただきました!
2019年のGWに足を運びたいと思っていた場所の一つ――なのですが、郊外なので公共交通機関でのアクセスが良いとは言えず。2つのバス停が使えるので公共交通機関でも十分行ける場所ではあるけど、電車の時間とのタイミングが必ずしも合うとは言えない――と色々考えて今回は片道はバス、片道は最寄の庭坂駅からのタクシー+走る…といった方法で。

この庭園を所有するのは玉根さんの兄・玉根元次さんで、元次さんが本州の日本庭園を3年かけて巡りこの庭園を構想。その後十年以上の歳月をかけてこの広大な池泉回遊式庭園が造園されました。昭和58年に開園。
バス停から徒歩で向かっていると…“東北の名庭園”と書かれた看板が現れるのは田園地帯のど真ん中。本当にそんな庭園が…?とも思ってしまう風景なのだけれど(笑)、辿り着くと吾妻連峰・吾妻小富士の借景が美しい庭園が本当に現れた!今回訪れたのは5月頭でしたが、山々の頂上部にはまだ積雪が残っていてその風景もまた美しい。

その池泉式庭園は“室町時代の趣を備えた〜”“室町時代風の〜”となぜか室町時代が引き合いに出されていて――室町時代=大規模な池泉回遊式庭園というイメージは個人的には全然ないのだけれど――この大きな池泉がどの庭園に似てるかって、とどのつまりは室町時代の代表的な庭園『金閣寺庭園』の影響を受けているのかなあと。楼閣こそないけど起伏なく見通しが良い(けど浄土庭園と比べると中の島が目立つ)感じや、池に浮かぶ立岩などなど。

今回訪れたGWにも緑の映える良い庭園でしたが、5月の中頃〜6月にかけてあやめ、花菖蒲、睡蓮などの花の咲く頃が一年の中でも最も見頃の時期のようです(“あやめまつり”が例年行われているよう)。借景の山々がカラフルに染まる秋の紅葉時期ももちろん美しいのだろうな〜。現代的な音も聴こえない、自然の音しか聴こえない理想的な日本庭園――。
なお冬季(12月〜3月)は休園となるので開園日は公式サイトで確認を!

(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR福島駅より路線バス、水保・土船行き「原の町」バス停下車 徒歩約10分
JR福島駅より路線バス、高湯・上姥堂行き「中谷地」バス停下車 徒歩15分
(いずれも本数は同じぐらい。組合せて使うのが良いかも?)
JR奥羽本線 庭坂駅より約3km(徒歩約40分)

〒960-2151 福島県福島市桜本宇類原30 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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