浄光寺庭園

Jokoji Temple Garden, Kaminoyama, Yamagata

近年は“温泉むすめ”かみのやま庵のお寺としても人気。“沢庵和尚”こと江戸時代の高僧・沢庵宗彭が作庭した庭園も残る、上山藩主・藤井松平家ゆかりの寺院。

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浄光寺庭園について

「湯出山 浄光寺」(じょうこうじ)は“奥羽三楽郷”かみのやま温泉を開湯した月秀上人や上山藩主・藤井松平家ゆかりの浄土宗寺院。江戸時代の名僧・沢庵宗彭(沢庵和尚)が作庭と伝わる庭園があります。また近年では温泉むすめ「かみのやま庵」ちゃんの御泉印と缶バッチがゲットできるお寺さんとしても人気。

2023年、約4年ぶりに“日本のクアオルト”山形のかみのやま温泉(上山温泉)へ。
京都の臨済宗大徳寺派の本山・大徳寺で住職をつとめた江戸時代の有名な僧のひとり・沢庵宗彭和尚が一時流された地でもある上山の城下町。駅から温泉街~上山城跡を越えた向こう側の寺町に沢庵ゆかりの寺院/庭園が残ります。それがこちら。

その歴史について。上山温泉が月秀上人によって発見されたのは室町時代の1458年(長禄2年)。その翌年、月秀が開基となって創建されたのが城光寺(のちに改称して浄光寺)で、山号の“湯出山”(とうしゅつざん)もまさにその様なルーツから。創建の際に上人が『法界寺』から持ち込んだ阿弥陀如来立像が上山市指定有形文化財(松平家牌所阿弥陀如来立像も市指定文化財)。

江戸時代には上山藩主・藤井松平家の菩提寺として庇護。現在本堂の裏で見られる池泉鑑賞式庭園は上山城主を土岐家(土岐頼行)がつとめていた時代に上山へと配流されてきた沢庵禅師が奇石を配して作庭されたと伝わり、京都『龍安寺』の裏庭(西庭?)『桂離宮』を模して(影響を受けて)作られたとも。晩年は江戸幕府将軍・徳川家光にも重用された沢庵和尚の貴重な旧跡の一つ。

のちに藤井松平家の松平寛山により改変され現在へと至ります。現在では毎年春先にこの心字池にガマガエルが産卵に来ることから、地域では「がま寺」の通称で親しまれているそう。また春には斜面に植わった多くのツツジが花を咲かせ、夏の朝方には池のスイレンの花が庭園を彩ります。

また前庭にも池泉庭があり、その池の背後の枝垂れ桜もこのお寺の見どころの一つ。「温泉むすめ」ファンはもちろん、歴史好き/お庭好きもぜひ足を伸ばしてみて。

(2023年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山形新幹線 かみのやま温泉駅より徒歩20分(駅前にレンタサイクルあり)

〒999-3163 山形県上山市軽井沢2丁目1-1 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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