東海道五十三次最後の宿場町・大津宿の国登録有形文化財の町家をリノベーションした旅館。近代の洋室も。
大津町家の宿 粋世について
「大津町家の宿 粋世」(いなせ)は東海道最後の宿場町・大津宿の町家を活用した旅館。昭和初期に建築である主屋が国登録有形文化財となっています。
《こんな時だから、庭園のある京町家に泊まりたい》シリーズ。京都じゃないじゃんというツッコミが入りそうですが、ここもめちゃくちゃ良かったので続き読んで…。
もともと県境移動解禁前、京都で「5,000円~10,000円以内ぐらいで文化財になっている個室の宿泊施設ないかな…」と思って色々調べていたのですが。京都市内の文化財旅館はさすがに2万円は下らない…。
そんな自分の探していた条件にピッタリハマったのが、この粋世。県違うけど。
…県が違うと言っても京都駅から2駅10分だし、自分の住む左京区からは山を越えたらすぐ。直線距離なら10km。「自転車で行けるんじゃね?」と思って県境移動解禁後に自転車で訪れました……が、距離は大したことないけど古くから謡われている逢坂山など2つ山越えがあり……しんどかった……。
ありがたいのが1名でもさほど割高にならない価格設定(7,500~8,000円)。その上で客室も5つのみと少ないので――独占と言わないまでもそれに近い雰囲気を味わえる。ちなみにビワイチの途中で訪れるサイクリスト向けに更に格安のプランやってました。こちら。
大津市で初めて古い町家を改修した宿として2017年に開業した粋世さん。1922年(昭和8年)に元は米穀商の邸宅として建てられたもの。「なんだ、明治や江戸じゃないのか」と思うなかれ、近代に建てられたからこそ洋室があったり所々洋風のアイテムが取り入れられ、近代和風住宅要素があるのがまた良い。
一方で屋根の高いトオリニワは京町家と同じで、共同スペースの大広間や客室の床の間の意匠、欄間の彫刻がとてもかっこいい!そして水回りや空調は2017年段階で新しくなっているのでその辺は快適。
今回は――まだ他に宿泊者が少ない時期なので、1名だけどお庭の見える広い部屋(晴嵐)に宿泊。部屋からは自転車で越えてきた逢坂山を目の前にのぞめました。良い風景。…(´-`).。oO(明日またこれ越えるのかと内心思いながら…)
その客室や共用の大広間から中庭を眺められます。現在の庭園は2017年の開業時に新たに改修されたものだそうですが、敷地の一番奥にあるテラス前の裏庭ともども緑の空間を楽しめる庭園。
大津市。県庁所在地の中でも地味な方だと思うし、琵琶湖や比叡山坂本の方へ観光に出かけても駅近を観光する人はさほど多くないかもしれない(実際、賑わっている…とは言い難い…)。
けど大津宿はこちら含めて国の文化財になっている建物が結構沢山ある。一回それを目的に街歩きしたことがあったので、歴史的建造物が壊されず保存され、今回泊まることができたのはとても嬉しかった(この建物もコインパーキングになる話もあったとか)。東海道巡りの方にも三井寺や比叡山坂本への中継点としてもオススメ。大津はこういう場所もっとありそう。今後調べて足を運んで紹介していきます!
(2020年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR東海道本線 大津駅より徒歩15分
京阪京津線 びわ湖浜大津駅より徒歩5分
京阪石山坂本線 三井寺駅より徒歩2分
〒520-0046 滋賀県大津市長等3丁目3-33 MAP