歌川広重も描き、江戸幕府将軍・徳川家慶、徳川家定も訪れた堀切の菖蒲園。東京都内の花菖蒲の名所。
堀切菖蒲園について
「堀切菖蒲園」(ほりきりしょうぶえん)は東京都内の花菖蒲の名所で、葛飾区指定名勝。6月上旬〜中旬にかけて園内で栽培されている江戸花菖蒲を中心とした200種6000株の花菖蒲が見頃を迎え、それに合わせて『葛飾菖蒲まつり』も開催されます。2019年、初めて足を運びました!
堀切は江戸時代には花菖蒲の名所として広く知られていたそうで、歌川広重や歌川豊国といった絵師もその景観を描いていました。江戸期から更に時代を遡り、室町時代に当地を治めた久保寺胤夫が郡山の安積沼から持ち込んだという伝承もあるそう。
江戸時代後期、堀切の百姓・小高伊左衛門が各地の花菖蒲を収集し、後に日本で最初の観光花菖蒲園となった『小高園』を開園。その菖蒲園の評判が広がり、江戸幕府12代目将軍・徳川家慶と後の13代目将軍・徳川家定や、尾張藩主・徳川斉荘が立ち寄り賛辞が送られたそう。
明治時代以降には『小高園』のほか『武蔵園』『吉野園』『観花園』『四ツ木園』『菖香園』『堀切園』といった多くの菖蒲園が開園したそうですが、二度の世界大戦や近代の都市化によりその殆どが消失。
戦後、唯一復興を果たした『堀切園』が現在の“堀切菖蒲園”の名で公開され、その後東京都が買収し葛飾区に移管され今日に至ります。見た目は新しい公園のような感じではありますが、歴史ある庭園の一つと言っても良い場所。
勿論メインは一面の花しょうぶなのですが――今回訪れた時期にはサツキツツジもピンク色の花を咲かせていてその組合せもまたきれいだった!今回の写真の風景は6月の短い期間にしか見られないものですが、その他の季節にも春には牡丹や藤棚やカキツバタ、秋には萩のトンネル、冬には梅や冬桜なども見所だそう。また園内には食事・喫茶のできる「静観亭」などもあります。
心洗われるハナショウブの風景――今回は初めてだったけど毎年通いたいと思える場所!
(2019年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)