本門寺庭園Honmonji Temple Garden, Yamatokoriyama, Nara

戦国武将・筒井順慶の菩提寺に小堀遠州が作庭した枯山水庭園と茶室。現代の造園家・柳原寿夫デザインの植栽も。

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金岳山 本門寺について

【通常非公開】
「本門寺」(ほんもんじ)は戦国時代に大和国を拠点とした武将/戦国大名・筒井順慶の菩提寺“寿福院”(寿福禅院)を前身とする寺院。大名茶人・小堀遠州の作庭と伝わる枯山水庭園があります。

2021年秋に初めて訪れました。“通常非公開”と冒頭に書いたけど、「観光向けの拝観はしていないけど、お寺に居る時には希望の方にはお見せしている」とのことでした(電話で要事前予約)。

戦国時代末期、織田信長のバックアップの下で松永久秀を退け、大和国の統一を果たした武将・筒井順慶明智光秀との関係でも知られます。後に『郡山城』を築城しそちらに移るまでは、現在の近鉄橿原線・筒井駅の一帯にあった『筒井城』を長らく居城としていました(室町時代中期から150年以上)。

筒井城の旧域の東端に位置する本門寺。その前身・寿福院は筒井家の菩提寺として奈良の国宝『興福寺』の塔頭寺院を1585年(天正13年)に筒井に移転したものとされます。
かつては筒井順慶の墓所(国重文)を管理し、市指定文化財の「筒井順慶座像」を所蔵していましたが、紆余曲折あって明治維新後に黄檗宗の禅寺から現在の寺名で日蓮宗→そして法華宗へと改宗。土塀で用いられている瓦に“壽福禅院”の名が残されています。

小堀遠州の作庭と伝わる枯山水庭園と茶室“洗心亭”は、2009年に再建された客殿・庫裡“霊山閣”の会議・イベントホールから眺めることができます。
“伝小堀遠州”の庭園は各地にたくさん残るけれど、あくまで自分で知る範囲では奈良県では初めての事例。もっとも江戸〜京都間や近畿一円で行動し続け、各地の大名に顔も広かったであろう小堀遠州、奈良に一つぐらい庭園があってもなんも不思議ではない(堺だったか高野山だったか、どこかの帰りに立ち寄ったとの言い伝え)。

向かって左右にふたつ築山(亀島と鶴島?)がもうけられ、その中央を石橋で繋ぐ。左側の築山中央には須弥山を表現した立石が配されていて、庭園を横切る飛び石は小堀遠州が居間にしたと伝わる茶室“洗心亭”へと向かってゆく。規模は違えど作風は遠州が手がけた京都の国指定名勝『圓徳院庭園』に似てると感じる。
また現在はお寺の東側に別の建物があり遮られているけど、奈良の山々を借景としていたのではーーとも言われます。

そんな古庭園を近年、関西造園界の巨匠と言われる柳原寿夫スタジオアーバンスペースアート)による修復&一部改修を経たのが現在の姿。以前は庭園に6基の石灯籠があったらしいのだけど現在は手前の織部灯籠を中心に3基しか確認できないので、その時に移動したのかな…?

また現代的な霊山閣も内装は吉田五十八好きの自分にとってはけっこう好みの和モダンな感じで…設計者は日建設計出身の谷口望設計室によるもの。イベントホールでは毎月のように多様なゲストを招いて《サローネ・デル・ロト》が開催されています。時には演奏会、時には先生やジャーナリスト、写真家の方々なども。

建物と庭園の間にあるのもいわゆるお寺の縁側…というよりはテラス。「このテラスで毎日庭園を眺めながらコーヒーを飲むのが日課」。この姿だからこそ魅力的だと思ってくれる方も居るはず。お庭は色んな楽しみ方があっていい。また伺いたい庭園!

(2021年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

近鉄橿原線 筒井駅より徒歩7分

〒639-1123 奈良県大和郡山市筒井町1344 MAP