法華寺庭園Hokkeji Temple Garden, Nara

奈良時代に光明皇后が創建した古刹に、京都仙洞御所…いや“京都新城”から移された国指定名勝の庭園と、森蘊作庭の“華楽園”。

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法華寺庭園について

【名勝庭園は期間限定公開】
「法華寺」(ほっけじ)は奈良時代の都『平城京』の大極殿の東側にある奈良時代に創建の古刹。御本尊・木造十一面観音立像が国宝となっているほか、本堂・鐘楼・南門など伽藍が国指定重要文化財、境内が国指定史跡、庭園が国指定名勝となっています。

国指定名勝の庭園は例年【4月1日〜6月10日】のみ特別公開。なおもう一つの庭園『華楽園』は昭和を代表する庭園研究家・森蘊による作庭で、通年で公開されています。2022年5月に6年ぶりに拝観しました!

その歴史について。奈良時代、聖武天皇の后・光明皇后の発願により父・藤原不比等の邸宅跡に745年(天平17年)に創建されました。聖武天皇が創建した『東大寺』が“総国分寺”であるのに対して法華寺は“総国分尼寺”で、以来皇室ゆかりの尼寺(尼門跡寺院)として“大和三門跡”の一つにも数えられます。正式名は「法華滅罪之寺」。

平安遷都の後には衰退し奈良時代に整えられた七堂伽藍は消失(鎌倉時代に東大寺の僧・重源、西大寺の僧・叡尊が再興しますが、室町時代に戦災などで再度消失)。現在見られる建造物は豊臣秀吉の側室・淀殿の発願で、片桐且元を奉行として1601年(慶長6年)より再建されたもの。御本尊のほかにも本堂に安置されている維摩居士坐像が国宝。

国指定名勝の庭園も江戸時代の初期に作庭されたもの。広さ約500坪の池泉回遊式庭園で、池泉のほとりにある客殿も含め、庭石・庭木など『京都仙洞御所』より移されたものと伝わります。特別公開期間に含まれる5月にはカキツバタの紫の花が咲きほこり見頃を迎えます。

↑ところで近年、現在の『京都仙洞御所』があった場所に豊臣秀吉が京都に造営した最後のお城『京都新城』があったという発掘結果が発表されている。
後水尾天皇が退位した後に京都新城が解体されてその跡地に『仙洞御所』が造営されますが(1627年)、同時期に法華寺には後水尾天皇の養女・高慶尼も入寺されている。この庭園は『仙洞御所の遺構』というより『仙洞御所を造営するために、京都新城の遺構で作庭された庭園』なのかなあ…って妄想。

通年公開されている池泉回遊式庭園『華楽園』はその名の通り四季の花々が楽しめる庭園。チューリップなどの洋の花や、白い花の咲く光明皇后ゆかりの“法華寺蓮”も。

また華楽園の先には国の重要有形民俗文化財の“からふろ”(江戸時代のサウナ)や休憩所『光月亭』(旧東谷家住宅)は昭和年代に月ヶ瀬村から移築された古民家で奈良県指定文化財。その向かいにはお茶室“慶久庵”とその露地庭もあります(歩くことはできない)。格式高いけど、意外と穴場の寺院。『平城京』を訪れた際はぜひ立ち寄ってみて!

(2016年5月、2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

近鉄奈良線 新大宮駅より徒歩15分
JR奈良駅・近鉄奈良駅・近鉄 大和西大寺駅より約2.5km(駅周辺にレンタサイクルあり)
JR奈良駅・近鉄奈良駅・近鉄 大和西大寺駅より路線バス「法華寺」バス停下車 徒歩3分

〒630-8001 奈良県奈良市法華寺町882 MAP