国の重要伝統的建造物群保存地区の“筑前の小京都”秋月の城下町に残る、藩主・黒田長興にも仕えた上級武家屋敷の庭園。
秋月武家屋敷 久野邸庭園について
【冬季休業・事前問合せ推奨】
「秋月武家屋敷 久野邸」(あきづきぶけやしき ひさのてい)は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている“城下町秋月”の古い町並みに残る武家屋敷。古処山の借景が美しい日本庭園が残ります。
2021年の年末に約6年ぶりに秋月を訪れた際に鑑賞した際の写真を紹介。ちなみに公式な定休日は【毎週月曜日・12月中旬~2月末】。たまたま今回は開館していたけど通常なら休業期間だったのか…。「休みが多いので問合せ要」ともあるので、事前問合せ推奨。
甘木市の中心部から北へ約6kmの山裾にある秋月の町並み。中世に築かれた秋月種雄の館跡を利用して築かれた「秋月城」(秋月陣屋)の城下町として整備されたのは江戸時代初期で、1623年(元和9年)に福岡藩の支藩として黒田長政の三男・黒田長興を藩主に迎えて成立しました。
今日まで当時の町割や町家・寺社仏閣など街の雰囲気をよく残し“筑前の小京都”とも呼ばれます。(秋月城跡や秋月城の門は福岡県指定重要文化財)
そんな秋月城の門前すぐの場所にあるのが「秋月武家屋敷 久野邸」。久野家は初代藩主・黒田長興の時代から黒田家に仕えた上級武家で、600坪を越える広い敷地には母屋に離れ座敷、厩(馬小屋)、蔵を活用した蔵資料館、そして敷地の半分以上を占める池泉回遊式庭園があります。
そんな名家のお屋敷も昭和年代には荒廃・老朽化…。佐賀県鳥栖市が本社の大手製薬メーカー「久光製薬」の会長(当時)中冨博隆氏の母の生家という縁から久光製薬の支援を受け1994年に修理・整備、城下町秋月の観光拠点としての公開がはじまりました。
“秋月名園”の一つにも挙げられるこちらの武家屋敷の庭園。…と言っても現存している秋月の古庭園って決して多くないんだけど、ここともう一つの名前が旅館『清流庵』(…高級宿なのでまだ未訪)。その名の通り、山からの自然の水の流れを活かした池泉庭園があるのですが、この久野邸も同じ庭園のスタイル。
心字池を中心に古処山を借景として、季節の花々や紅葉が楽しめる庭園です――つって、今回は冬で紅葉もほぼ終わっていたけど…花や紅葉のカラフルさは無くても庭園の原形を楽しめたので、個人的にはOK!福岡藩の支藩ではあるけど、藩主ではなく“藩士の庭”って貴重な事例でもある。
山裾の立地からか苔もきれいなお庭だった。今回は雪が舞う中だったけどまた別の季節に再訪したい、福岡の隠れた名庭園の一つ。
(2021年12月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
甘木鉄道・西鉄甘木線 甘木駅より路線バス「秋月」バス停下車 徒歩4分
甘木駅より約7km(甘木鉄道の駅前観光案内所にレンタサイクルあり)
〒838-0001 福岡県朝倉市秋月83 MAP