大正時代に完成した元首相・鳩山一郎の邸宅『音羽御殿』。洋館前のイギリス式庭園やステンドグラスも見所。
鳩山会館について
「鳩山会館」(はとやまかいかん)は戦後に内閣総理大臣を務めた鳩山一郎の自邸として大正時代に造られた洋館。現在は鳩山家の記念館として一般公開されています。設計は近代を代表する建築家のひとり・岡田信一郎(第三期の歌舞伎座や国指定重要文化財の『明治生命館』の設計者)。
鳩山一郎の父親であり美作国・勝山藩士出身の鳩山和夫がこの地に居を構えたのが明治時代の1891年。その後を継いだ一郎によってこの邸宅が完成。一郎の首相在任期間中には多くの政治家がこの館を訪れたため、通称『音羽御殿』とも呼ばれたそう。一郎が初代総裁を務めた自由民主党の創設が計画されたのもこの鳩山邸と言われます。ちなみに現在も鳩山家の所有であり、リーフレット冒頭のメッセージは元首相・鳩山由紀夫さんによるもの。
平成年代に入り、老朽化したこの洋館が全面的に修復され、1996年より「鳩山会館」として一般公開を開始。その建築や鳩山家の歴代の記念品、美術品などを見学することができます。
中でも見所は多く使われているステンドグラスで、2階への階段の途中にある“和風ステンドグラス”はティファニーでステンドグラスを学んだ工芸家・小川三知の作品。描かれた五重塔のモデルは法隆寺のもの?とのこと。また2階のバルコニーに出ると鳩の装飾が施されているなど、様々な意匠が。
洋館の前に広がるイギリス風の庭園の一番の見頃はバラで、鳩山一郎が好んでいた「ピース」を含む150株ものバラが植えられています。…今回4月の初旬に近くを通り掛かって、そういえば鳩山会館見たことないなあと思って足を運んだのだけど、見頃はもう少し先のバラやツツジ〜サツキの季節だったのかもなー。リーフレットのキャッチコピーも「バラとステンドグラスの鳩山会館」だし…。(一応入口の坂のサクラは見頃だった)
なお和風庭園の要素が無いかと言うとそんなこともなく、洋館から見て正面の築山には石灯籠や流れも見られます(ちょっと植栽が生い茂り気味で見えづらかったけど)。また庭園の端には鳩山一郎像や両親の鳩山和夫・春子像(彫刻家・朝倉文夫の作品)もあります。次回はバラが見頃の季節に訪れたい!
(2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)