白鶴美術館庭園Hakutsuru Museum's Garden, Kobe, Hyogo

『白鶴酒造』七代目・嘉納治兵衛(鶴翁)が設立した美術館は、竹中工務店・鷲尾九郎設計による近代和風建築。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

白鶴美術館庭園について

「白鶴美術館」(はくつるびじゅつかん)は『白鶴酒造』の七代目当主・嘉納治兵衛がコレクションした美術品の展示のために昭和初期の1934年(昭和9年)に開館した美術館。
国宝2点・国指定重要文化財22点を含む古美術を所蔵・展示しているほか、近代和風建築の白鶴美術館本館・事務棟・茶室「崧庵」・土蔵が国登録有形文化財となっています。設計施工は竹中工務店、設計は大阪“堂島ビルヂング”などの設計も担当した鷲尾九郎。

2019年秋、 非公開の洋館『旧乾邸』の特別公開へ。地図で見たらすぐ近くに白鶴美術館があったので立ち寄ったのですが――旧乾邸もすごかったけどこちらもすごかった!石造りの門、前庭からして当時の贅を尽くされた感ある。

“菊正宗”“白鶴”といった有名銘柄を生み出した灘の嘉納家は“嘉納財閥”とも呼ばれました。白鶴を業界一の銘柄に押し上げたのは分家・白嘉納の当主、嘉納治兵衛。七代目の治兵衛!
奈良・興福寺の執事をつとめていた中村家出身で嘉納家へ養子に入った七代目嘉納治兵衛は茶人として鶴翁(かくおう)と名乗り、酒造業の成功と並行して古美術品を収集。そして自らの死後にその品々が分散してしまうことを嫌い、かつ多くの一般の人々の鑑賞・研究に役立つようにと当初は私設美術館として『白鶴美術館』は誕生しました。

2019年秋に開催されていた企画展『文字を語る―白鶴コレクションにみる漢字造形の変遷―』では奈良時代に記された国宝の『賢愚経』『大般涅槃経集解』や国重文の青銅器・書などを鑑賞できて(そして言ったらなんだけど他に鑑賞者少なくて)めちゃめちゃ満喫した…。国宝こんなにずっと見てていいの…。
狩野元信による国重文の『四季花鳥図屏風』なども所蔵してますが、主には古文書や中国の古代青銅器、陶磁器などが所蔵されているそう。その数約1,450点。

そうした所蔵品(嗜好)を現しているのか、本館は和風とも洋風とも東洋的とも言える近代建築。昔の歌舞伎座みたい。そして中庭の中央に建つ巨大な灯籠は東大寺大仏殿の前にある“東大寺金銅製八角燈籠”(国宝)から直接型を取ったという写し。
それらと比べると――隅に追いやられている池泉回遊式庭園はこの美術館にとっては脇役といった感じですが、それでも流れをつたっていくと、本館の裏の山の斜面を利用した巨石による滝石組から始まっています。また池泉庭園のほとりにある茶室“崧庵”は茶道石州流・本庄宗泉による設計。

旧乾邸の中でも書いたけれど、西宮〜芦屋〜神戸の六甲山麓ってずっと「高級住宅街」というイメージがあって、豪邸=庭園があるはずだよな〜と。乾邸と白鶴美術館、これだけ近い距離に近代の巨大建築が残っているというのは「やはりそうだったんだな」と仮説が立証された一日でした。今後も六甲地域の色んな建築に足を運びたい!

(2019年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

阪急神戸線 御影駅より徒歩約20分
JR神戸線 住吉駅より徒歩25分
JR摂津本山駅・住吉駅より路線バス「白鶴美術館前」バス停下車 徒歩2分

〒658-0063 兵庫県神戸市東灘区住吉山手6-1-1 MAP

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