江戸幕府8代目将軍・徳川吉宗によって開かれた八軒新田エリアに残る昭和初期の名主屋敷と和風庭園。
がんこ武蔵野立川屋敷庭園について
京都の山縣有朋の旧宅跡『高瀬川二条苑』(第二無鄰菴)をはじめ、多くの歴史的和風建築をレストラン・料亭として再活用している「がんこフードサービス」の“お屋敷”シリーズ。この「がんこ武蔵野立川屋敷」(がんこむさしのたちかわやしき)は昭和初期に建てられた立川の名主屋敷『旧中野邸』を活用した店舗で、2016年にオープン。東京では新宿の『がんこ新宿山野愛子邸』に続いて2店舗目。個人的に2019年の中盤、立川に通う生活のうちに行きたいなと思っていた庭園とお屋敷。初めて足を運びました!
立川駅北口のメインストリート・立川街道を20分程歩くと辿り着きます(バスもばんばん通ってます)。名主だったという中野家に関しては詳細は不明ですが――この主屋は“六間型名主住宅”という貴重な建築様式であるそう。また主屋には洋風・山荘風の離れが見られる点も昭和の豪邸という雰囲気を醸しているし、道に面した土蔵だけでなく主屋の裏手にはまた別の石蔵も見られます。
庭園は前庭・主庭ともにツツジやサツキの刈り込みが多く春〜初夏にかけてが見頃そう(2つある大きな刈り込みも気になる)。主庭は芝生の面積が広く取られている点も昭和年代の和洋折衷の流れを感じつつ、前庭・主庭ともに和風な石敷きも良い感じ。
…あまり大したことが書けていないのですが、少し立川について書きたい。これまでも立川は時々遊びに来ていたけど、行動範囲はせいぜい駅周辺か昭和記念公園という感じだった。そして立川の中心は鉄道開通以降に栄えた駅周辺だけだと思ってた。今回初めてこの立川街道沿いを歩いたのですが、(これまで全く知らなかったけど)ずーっと商店街が続いているんだなと思って…。
そしてこの「がんこ武蔵野立川屋敷」周辺には他にも立派な和風家屋が見られる。その他の家屋の前にあった看板が16枚目の画像「芋久保新田」。この芋久保新田・八軒新田というエリアは江戸時代中期の享保年間、江戸幕府8代目将軍・徳川吉宗の新田開発によって開かれた歴史ある地区。少し北へ進んだ場所にある愛宕神社がこの地域の神社だったみたい。
そもそも現在の地名の「栄町」という名前も本当に近現代へ迎えるまでに栄えていた場所だったからついた名前だったんだろうし、駅周辺から商店が続くのはこの栄町あたりから駅へ向かう人が多かったからなんだな〜。まだまだ知らない東京の歴史ってあるなあと…多摩地区の旧家は今後色々調べてみたい。
(2019年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR中央線 立川駅より徒歩20分
多摩モノレール 立飛駅より徒歩15分
立川駅より路線バス「栄町三丁目」バス停下車すぐ
〒190-0003 東京都立川市栄町3丁目17 MAP