夫婦円満の象徴“夫婦岩”が有名な伊勢湾の景勝地は、伊勢神宮と併せた信仰の対象でもあった。国指定名勝。
二見浦・夫婦岩について
「二見浦」(ふたみうら・ふたみがうら)は国指定名勝に選定されている伊勢湾に面した海岸の景勝地。中でも海に浮かぶ“夫婦岩”(めおといわ)は現代においては夫婦円満の象徴として多くの参拝客が訪れるスポットですが、古代からの磐座信仰の対象でもあり、中世から知られる日の出の名所でもある。
2020年、初めて二見浦へ。目的は国指定重要文化財の近代和風建築『賓日館』でしたが、庭園でなくても国指定名勝は巡っているのであわせて有名な“夫婦岩”にも足を伸ばしました。
二見浦は古代から和歌にも歌われているほか“聖なる浜”として信仰され、古くは行基も奈良時代に“興玉神石”をまつる寺院を創建(現在夫婦岩を境内に見る『二見興玉神社』は明治時代の創立)。また古来より伊勢神宮に参拝する前にはこの“聖なる浜”二見浦で身を清めるという習慣もあったり、それを浜参宮と呼んだそう。
一方で信仰とは別に、江戸時代には歌川広重が“夫婦岩”を描くなど景勝地としても有名に。夫婦岩と呼ばれる所以の一つ、二つの岩を結ぶ“大注連縄”(おおしめなわ)は鎌倉時代末期の文保年間には既に見られたとか。
正直賓日館は全然見学者居なかったんだけど…それと比べて二見興玉神社の参拝者の多さと言ったら。三重県内では伊勢神宮に次いで参拝客が多い神社なんだそう!
二見浦自体が大正時代に栄えた旅館街で、大きな旅館が多く立ち並んでいた。二見浦自体は4km程続く海岸であり、「名勝 二見浦」の碑も夫婦岩から歩いて10分程歩いた海岸沿いにあります。賓日館以外にも文化財になりそうな立派な旅館が沢山あるので、次回は宿泊で訪れたい場所。
(2020年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)