三田の寺町に残る、本堂の近代建築と溶岩石の亀島が印象的な江戸時代中期作庭の池泉鑑賞式庭園。(通常非公開)
大松寺庭園について
【非公開】
「大松寺」(だいしょうじ)は慶應義塾大学三田キャンパスのすぐ近く、三田寺町にある寺院。江戸時代中期に作庭された池泉鑑賞式庭園が残ります。
冒頭に「非公開」と書いたけど、拝観できるかお聞きして見せていただいた時に“(著名な方の)墓所を訪れる方はいたけど、庭園を見たいと言われたのは初めて”というような反応だったので、事前にお聞きすれば見られるかも。
この庭園を知ったきっかけは、港区のウェブサイトの子ども向け地域学習コンテンツ『わき水の出る場所をしらべよう』。このページに辿り着いたのは高輪の国指定史跡『東禅寺庭園』について調べた時なのですが、『根津美術館』や『有栖川宮記念公園』など日本庭園として認識している所が載っている一方で、結構知らない寺社の名前があるなあ…と。
そのうちの一つが大松寺。この時点で「庭園がある」という確信があったわけではないのだけど、歩いたことがなかった三田の寺町を散歩がてら訪れてみました。2019年5月末の話。
そしたらとても良い感じの池泉庭園が!寺伝では作庭は1700年代。往時と比べると縮小はしているそうですが、お手入れも行き届いているし、溶岩石の亀島とその背後の枯流れがとても迫力ある。
東京の寺院庭園では、浅草寺の『伝法院庭園』や池上本門寺の『松涛園』など小堀遠州が手掛けたという大きな所がある一方、そうじゃない江戸期の寺院庭園ってあまり聞かないので…かなり貴重な気が。震災や大空襲を経ながらも現代に至っているこの庭園を「寺宝です」というご住職の言葉が印象的でした。
もう一つ気になるのは…築山の上に建つ近代建築の本堂。以前も三田〜高輪界隈で近代風のレトロな寺社仏閣建築を見たことがあったけど、こういう伊東忠太的なやつ結構残ってるんかな〜。
もしかしたら大松寺庭園のような「実は歴史あるお寺の庭園」が、他にも残っているのかもしれない。もしもう少し東京に居る期間があったならば、こういった都心の寺院を歩いてみたかった!
(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)