世界遺産「仁徳天皇陵」に隣接。足立美術館庭園で知られる中根金作の作庭による、大規模な築山林泉回遊式庭園。
大仙公園 日本庭園について
「大仙公園」(だいせんこうえん)は2019年に世界文化遺産に登録勧告された「百舌鳥・古市古墳群」に囲まれた場所に位置し、日本一大きい古墳の仁徳天皇陵と隣接する都市公園。日本の都市公園100選、日本の歴史公園100選にも選定されています。
公園内にある日本庭園は『足立美術館庭園』で知られる中根金作の作庭によるもの。また昭和の電力王と呼ばれた松永耳庵(松永安左エ門)が所有した茶室“黄梅庵”など国登録有形文化財の茶室も。2019年8月に再訪!
まず日本庭園について。堺市制100周年を記念して築庭され、1988年(平成元年)に開園した26,000平方メートルという広大な築山林泉廻遊式庭園。毎年秋には紅葉ライトアップも開催されています。
その庭園の姿からは、戦国時代〜江戸時代にさまざまな大名も滞在し栄えた堺の街から発想した“現代の大名庭園”といったコンセプトかと思いきや、ところどころ中国大陸の名勝を模したエリアが設けられた庭園になっています。これは“遣唐船の発着地として、中国大陸との結びつきが深く栄えた貿易都市”としての歴史を表現したもの。
入場門からすぐの数寄屋風建築の入場口からのぞむ築山、これも中国江西省にある名勝“廬山”をあらわしたもので、右手側には中国風の楼門“甘泉殿”の姿が。大池を回遊するとその池泉は季節の花木が見られる“流れ”のエリアへと移ろいます。この流れは堺の石津川をあらわした“石津渓”。八ツ橋のあると杜若池と四阿“青苔亭”を過ぎて、庭園奥の源流“桃源台”へと至ります。
日本庭園内でもお抹茶とお菓子をいただけるのですが、広い公園内のまた別の場所「堺市博物館」の前に国登録有形文化財の茶室とその露地庭が見られます。茶室『伸庵』は1929年(昭和4年)に数寄屋師・仰木魯堂設計により東京・芝に建てられたもの。茶室というには広く元は近代の邸宅。
そして茶室『黄梅庵』。こちらはもっと古く、江戸時代初期〜中期にかけて奈良県橿原市の寺内町“今井町”の豊田家に元は建てられたもの。昭和の戦後に小田原の松永安左エ門邸に移築。現在は『松永記念館』として開かれているエリアで現在もいくつか文化財の茶室が残りますが、元は黄梅庵もその一つでした。その後1980年にこの地に移築。
堺といった古墳!ですが、市内にはこの日本庭園だけでなく古田織部の手掛けた国指定名勝『南宗寺庭園』や大阪府の名勝『祥雲寺庭園』もあります。それぞれまたタイプが全く異なる庭園。併せてどうぞ!
(2017年2月、2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR阪和線 百舌鳥駅より徒歩10分
南海高野線 三国ヶ丘駅より徒歩17分
大阪メトロ御堂筋線 なかもず駅より約2.5km(徒歩30分)
※市内数カ所にレンタサイクルあり
〒590-0801 大阪府堺市堺区大仙中町17 MAP