大龍寺 ドウダン庭園

Dairyuji Temple Garden, Gifu

春・秋に庭園特別公開。1,000本以上のドウダンツツジが斜面一面に染まる紅葉の名所!江戸時代の禅僧・白隠、仙厓の作品が岐阜県指定重要文化財。

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大龍寺 ドウダン庭園について

【庭園は春・秋に特別公開】
「金栗山 大龍寺」(だいりゅうじ)は“だるま観音”の通称で地元に親しまれている岐阜県岐阜市の寺院。臨済宗妙心寺派。江戸時の有名な禅僧・白隠慧鶴仙厓義梵の残した禅画が岐阜県指定重要文化財となっているほか、近年は斜面いっぱいに植わったドウダンツツジの名所として人気。春(4月中旬)・秋(11月中旬~下旬に庭園が特別公開され、春には一面が白く染まる姿、秋には紅葉が楽しめます。

岐阜市の北部に位置する大龍寺。その歴史は古く、飛鳥時代、持統天皇の時代の創建と伝わります。御本尊の腹帯子安観世音菩薩は平安時代の1175年(安元元年)に後白河法皇によって胎児安泰の勅願所として賜ったもの。(そのため今日でも安産や子授、子育てのお寺としても信仰されています。)

その後は一度荒廃しますが、室町時代の明応年間(1500年頃)守護大名・土岐氏に招かれた臨済宗の僧・瑞翁宗縉によって再興。“悟渓下八哲”(=京都『大徳寺』『妙心寺』の住持を歴任した悟渓宗頓の8人の高弟)の一人として名の挙がる瑞翁禅師が京都からこの地に運び安置した達磨大師像もまた今日まで信仰され、近年では本堂の前に約5メートルの巨大な達磨大師坐像も。

戦国時代には斎藤道三織田信長豊臣秀吉に仕えた“西美濃三人衆”筆頭格の武将・稲葉一鉄(稲葉良通)が時の住職・淳岩禅師に帰依し度々この大龍寺を訪れました。その縁で一鉄の遺品の多くを寺宝として所蔵。
現在の伽藍は明治時代の濃尾大震災以降の近現代のものが多いそうですが、山門には江戸時代初期の後西天皇の皇女による扁額が掲げられています。

…と、歴史について色々書きましたが…今はとにかく圧巻のツツジ山が目印…!遠目からも斜面一面に植わったツツジ群が見えてきます。それも色とりどりのツツジ…というよりは、圧倒的にドウダンツツジ比率が高い。

約3,000坪の広さの中に約1,200本のドウダンツツジが植わっています。斜面いっぱいに植わったツツジは比較的新しいものですが、本堂~書院の中庭にはより大きなドウダンツツジもあったりして、中には樹齢350年以上の古木もあるとか。春・秋に特別公開される庭園は、回廊やお座敷から、苔庭越しにドウダンツツジ群をまったり鑑賞することができます。

あとメインのお庭ではないながら、庫裏の前庭(石庭)もかっこよかったり…。“まるで京都の禅寺の石庭」のようなこの石庭は、地元・岐阜県の篠田造園土木さんの作庭。

特別公開の際にはファニーな禅画で知られる白隠禅師、仙厓禅師の作品を含む、岐阜県/岐阜市の文化財に指定されている書画も特別に展示されます。
庭園ファンの方も、古美術ファンの方も訪れてみて。

(2024年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR東海道本線 岐阜駅・名鉄 名鉄岐阜駅より約10km
JR岐阜駅/名鉄岐阜駅より路線バス「高富大竜寺前」バス停下車 徒歩3分

〒502-0001 岐阜県岐阜市粟野2339 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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