大阪最北の集落に残る大阪府指定名勝の庭園。江戸時代中期作庭の枯山水庭園は枯滝石組が見どころ。
長杉寺庭園について
「巨嶺山 長杉寺」(ごれいざん ちょうさんじ)は大阪府の最北部、能勢町の最奥・天王という集落にある臨済宗妙心寺派の寺院。その庭園が大阪府指定名勝となっています。公式サイト等はなく庭園拝観情報が不明だったけれど、自由拝観でした。
2020年のお盆休み。遠出はしづらいけど普段行けない場所に行きたいなーと思い、スクーターを借りて公共交通機関では行きづらい亀岡市西部~大阪府能勢町の庭園へ。それぞれとても行きづらい場所なんだけど、Googleマップにピンを立ててたら意外と線で繋がった。
中でもこの庭園はたぶん久々に「公共交通機関で行けない」場所…。ですがすぐ東部は京都府亀岡市と南丹市、すぐ北部の天王峠を下れば篠山市福住の重伝建地区。それらを結ぶ国道173号線は広く整備され交通量も多かった。
長杉寺の前身は北摂の名刹と言われた剣尾山月峰寺の坊舎「地蔵院」。江戸時代のはじめに焼失し、広天和尚により1640年(寛永17年)にコヤトコ山から現在地に移転・再建された際に現在の寺名に改められました。
広天和尚=京都・妙心寺で住職をつとめた昊天宗建だろうか。だとすると浜松や彦根の『龍潭寺庭園』とも登場人物は繋がる…。
大阪府指定名勝の庭園は本堂の裾・書院に面した枯山水庭園。移転後すぐに着手されたとも、1754年(宝暦4年)の本堂・庫裏の再建にあわせて江戸時代中期に作庭されたとも。
建物から斜面までの狭い範囲に多くの石が配され枯滝石組などが表現。また北摂・丹波では数少なく貴重な江戸期の庭園として名勝指定されています。(確かに篠山の庭園は複数紹介してるけど、現代のもの中心でそんなに古くはない)
で、本堂前にはもう一つ苔むした枯流れの庭園があります。ご住職によるとこれは現代(30年ぐらい前って言ってたかな?)に地元の造園屋さんが作庭されたもので、先の枯山水庭園が元々はもっと大きかった――という記録?伝承?から想像で拡張するイメージで手掛けられたそう(実際は文化財指定の庭園と繋がっているわけではない)。
こちらもサツキの低い刈込とかお手入れが行き届いているなぁと良い感じでした。また丹波方面行く時には立ち寄りたい庭園!
(2020年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)