友禅染の生みの親・宮崎友禅斎にちなんで作庭された、東山の借景が美しい回遊式庭園。裏千家ゆかりの茶室も。
知恩院 友禅苑について
浄土宗の総本山であり、京都を代表する寺院の一つの「知恩院」(ちおんいん)。その境内には江戸時代初期に小堀遠州の弟子・玉淵坊による作庭と伝わる方丈庭園もありますが(『知恩院方丈庭園』)、国宝の三門の脇にも昭和年代に改修・造園された回遊式庭園「友禅苑」(ゆうぜんえん)があります。
…昨秋に方丈庭園を拝観した際にこちらを見落としていたので、改めてこの春に訪れました!
「友禅苑」の名前の由来となっているのは着物の「友禅模様(友禅染)」の生みの親である、江戸時代中期の絵師・宮崎友禅斎。往時、知恩院の門前に住み活躍した友禅斎の生誕300年を記念し作庭。
入場してすぐの池泉回遊式庭園は東山の湧水を引き入れたもので、池の中央にある観音菩薩像は彫刻家・高村光雲の作品。
そして東山を借景とした眺望も美しい枯山水庭園は別名「鹿野苑」とも言われるそう。
その他、池泉庭園の上流には京都の有名実業家の一人だった大沢徳太郎の別邸にあった茶室「華麓庵」や、知恩院第86世中村康隆猊下の白寿を記念し移築された茶室「白寿庵」なども。いずれも裏千家ゆかりのお茶室で、その周辺の茶庭にも風情があります。
また庭園からも間近にのぞむことができる国宝の知恩院の三門は江戸幕府2代目将軍・徳川秀忠の命で建立されたもの。今回訪れた時には三門を背後に望み観る枝垂れ桜が美しかった!足を運びやすい場所にある庭園。高台寺や知恩院、円山公園界隈を歩いた際には併せてどうぞ!
(2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)