秩父宮殿下が約10年間過ごした別邸に開かれた公園で、樹齢130年を超える大きな枝垂れ桜が美しい。日本の歴史公園100選。
秩父宮記念公園について
「秩父宮記念公園」(ちちぶのみやきねんこうえん)は昭和16年から約10年間、秩父宮雍仁親王・勢津子妃がお住まいになっていた「秩父宮御殿場御別邸」を整備した公園。秩父宮妃勢津子殿下の遺言により平成年代に御殿場市に寄贈され、2003年に開園し公開されるようになりました。現在では日本の歴史公園100選に選定されています。
秩父宮家の別邸となる以前は昭和初期に日本銀行総裁や大蔵大臣を務めた政治家・井上準之助が別荘として造営したもの。現在も残る茅葺屋根の母屋は井上が当地の名主屋敷から譲り受け移築したもので、享保年間(江戸時代中期)に完成したこの建造物は御殿場市指定文化財。
母屋は外観こそ農村の古民家といった趣きですが、内装は井上や秩父宮家が暮らすにあたって改修されており、中でもリビングは井上がイギリスのカントリーハウスを意識して完成させたのち、秩父宮両殿下が親交のあったイギリスから取り寄せた洋家具を配置し洋風に統一。現在は秩父宮家から遺贈された品々を展示する記念館の一部として公開されています。
その母屋を取り囲む樹齢130年ともいう枝垂れ桜が圧巻!今回訪れた4月上旬には「さくらまつり」が開催中で多くの人が訪れており、夜にはしだれ桜のライトアップも行われていました。
この桜のほかにも東京ドームの約1.5個分の広さをほこる園内には「秩父宮メモリアルガーデン」「憩いの庭」「つばき園」「もみじ園」など様々なエリアがあり、秩父宮両殿下が愛された四季折々の花々を楽しむことができます。
「秩父宮ラグビー場」として名前が残るなど(これは殿下が日本ラグビー協会名誉総裁を務めていたことに由来)、スポーツを愛好されていた秩父宮殿下は中でも登山も好まれていたそう。彫刻家・朝倉文夫が制作した登山服姿の銅像は昭和天皇から贈られたものだそうで、この御殿場御別邸の完成後に東京・赤坂の本邸から移築され、現在は富士山へ向けて設置されています。
この日は晴れてはいたのだけどもやがかっていて、富士山がはっきり見えなかったのだけ残念…澄んでいれば母屋と枝垂れ桜越しに富士山が見えたはず…。
(2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR御殿場線 御殿場駅より約2.5km(徒歩30分)※駅前にレンタサイクルあり
御殿場駅より路線バス「東山荘入口」バス停下車 徒歩2分
※その他、御殿場駅には行かない箱根発・御殿場プレミアムアウトレット行きのバス等が公園前のバス停に停車
〒412-0026 静岡県御殿場市東田中1507-7 MAP