
“熱田の杜”に囲まれた名古屋を代表する神社。2021年“くさなぎ広場”としてリニューアルした池泉回遊式庭園は、2022年度日本建築大賞・優秀作品にも選定。
熱田神宮 南神池 / くさなぎ広場について
「熱田神宮」(あつたじんぐう)は“熱田さん”の愛称で親しまれる、古代より続く愛知県&名古屋市を代表する神社の一つ。境内には池泉回遊式庭園「南神池」があります。この南神池周辺が近年リニューアル(〜2021年)、参拝者の勢いとくつろぎの空間『くさなぎ広場』として整備され、国宝/国指定重要文化財の刀剣が展示される「剣の宝庫 草薙館」や新しい売店・レストランもオープンしました。
そのリニューアル姿の写真を紹介!
東海地方でも『伊勢神宮』と並び、言わずと知れたお社・熱田神宮。その歴史も説明し始めると長くなるのでサクッと。約1900年前の古代(西暦で言うと110年頃)、12代天皇・景行天皇の御代に三種の神器の一つ“草薙神剣”をまつるためのお社として創建。
そこから長くに渡り尾張国を代表する神社として、源頼朝、足利尊氏ら歴代の将軍、“三英傑”織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など時代を代表する武将に信仰されます。また江戸時代には東海道五十三次の「宮宿」や“七里の渡し”が近くに設置される交通の要衝ともなり、現代においても年間700万人の参拝客が訪れているそう。
昭和時代には太平洋戦争の空襲の被害によって社殿を焼失。現在の本殿はそれ以降の再建ですが、“三大都市”名古屋の中で約19万平方メートルにも及ぶ“熱田の杜”を残す貴重な自然環境も保持しています。
その境内南部、正門(南門)や西門の程近くにある“南神池”。江戸時代に「尾張名所図会」にも描かれた石橋「二十五丁橋」を活かした池泉…であるという点以外は、以前訪れた時にはさほど目立つ存在ではなかったのですが――近年、御大典記念事業としてその池泉を中心に『くさなぎ広場』へとリニューアル。
既存の池泉(南神池)の形はさほど変わっていないのですが、手前側(元々の売店があった側)に“七里の渡し”の起点「熱田湊」をイメージした船や池にせり出すデッキ、水盤が新設。また池周辺の園路もきれいに再整備され、和モダンなあずまや、ベンチが新たに設置。参拝者や地域の方の憩いの場としてより過ごしやすくなりました!
この「くさなぎ広場」と、文化財級の刀剣が展示される『草薙館』の建築設計を手掛けたのは昭和の名建築家・吉村順三に師事した「玄綜合設計」上田徹さん。この作品は日本建築家協会(JIA)の2022年度JIA日本建築大賞・優秀作品選にも選定されました。で、園路の植栽もだいぶやり直されてきれいだったけど、造園側はどなただったのかな…。
で、熱田神宮境内にはもう一つ「勾玉苑」という池泉庭園があります。樹齢1000年を超えるという大楠の先、主にブライダル(神前婚)の場として活用されている『熱田神宮会館』に付随する庭園なのですが、基本的にはブライダル等での利用者以外には(一般の参拝者には)非公開。
尚、ブライダル等の予定が無い日には『みなもカフェ』がオープンし、庭園を眺めながら喫茶を楽しめるそう。週末に訪れてもなかなかそのチャンスは無さそうだけど、いずれそのカフェ利用してこちらのお庭も眺めたい…!尚、こちらの庭園の一角には、空襲の被害を免れた明治時代の近代和風建築『龍影閣』(国登録有形文化財)もあります。
熱田神宮から、名古屋最大規模の池泉回遊式日本庭園『白鳥庭園』までは徒歩10分ちょっと。合わせて訪れてみて。
(2017年11月、2025年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
名古屋市地下鉄名城線 熱田神宮西駅より徒歩10分
JR東海道本線 熱田駅/名鉄名古屋本線 神宮前駅より徒歩15分
〒456-0031 愛知県名古屋市熱田区神宮1丁目1-1 MAP
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