
昭和モダンな和風建築から眺めるお庭も◎の唐津の人気かき氷専門店!近代の実業家が収集した美術品を展示する『河村美術館』が隣接。
ティーサロン「芦の花」庭園について
「芦の花」(あしのはな)は佐賀県唐津市の城下町の古民家を活用した人気のカキ氷専門店。その店舗(邸宅)の前には池泉鑑賞式の日本庭園が広がります。私設美術館『河村美術館』に隣接。
江戸時代には唐津藩の城下町、幕末~近代に掛けては近代日本を代表する建築家・辰野金吾を輩出、多くのレトロな洋風建築も残る町・唐津。城下町の時代の面影を感じさせる『埋門ノ館』のすぐ裏手、国指定重要文化財『旧高取邸』からも程近くに位置するのが今回紹介する「芦の花」(今回ラストオーダーに間に合わず…庭園のみの紹介!)。
10年程前より『ティーサロン芦の花』としてランチもあるカフェとして営業されていたそうですが、夏季限定のかき氷が特に人気を集めていたことから2年程前からは「かき氷専門店」として営業。そのかき氷も豪華でバリエーション豊富!で、2025年夏からはネット予約制が導入される程の人気。
店舗として活用されている邸宅の前には日本庭園が広がります。平屋建ての家屋と同じ目線のなだらかな築山の中に、よく手入れされた低いマツの木が幾つも植わっている池泉鑑賞式庭園(現在は枯池)。邸宅ともども、先述の『旧高取邸』と比べると新しい…というか、“昭和の和モダン”なテイストで、大振りな庭石が好んで使われているのも目を引く。
このお庭は元々は隣接する『河村美術館』と関係があると思うのですが(河村美術館の公式HPにも庭園側からの美術館の写真があるし、美術館の駐車場から庭園へ繋がっている)、現在は美術館とこのかき氷店は関係がない?らしく、詳しいことはお聞きできず…。
『河村美術館』の開館は1990年(平成2年)。河村家の歴史をさかのぼると、江戸時代には唐津藩の御典医をつとめた家柄で、近代には初代唐津市長・河村嘉一郎(実業家として近代の唐津の発展にも貢献)も輩出した唐津の名家の一つ。
嘉一郎の弟・河村龍夫も現・住友金属や住金物産(現・日本製鉄グループ)で取締役を歴任した実業家で、氏がコレクションした美術品(特に青木繁をはじめとする近代の洋画家や日本画家の作品)を広く展示する為にその子・河村晴生さんによって開かれたのがこの美術館。佐賀県で認可第1号の財団法人美術館でもあります。
「芦の花」も河村家の邸宅&庭園として造営されたものの一部…だと思うのだけれど定かではなく。家屋の藤井厚二や吉田五十八の流れを汲んだモダン和風邸宅の感じは美術館の建設より古くからあるはず…。また改めて利用しに訪れて内部からそのお庭を眺めたい!
(2025年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
投稿者プロフィール
