東京を代表する観光名所の通常非公開の国指定名勝庭園。枝垂れ桜と五重塔やスカイツリーの借景が美しい。
浅草寺 伝法院庭園について
【期間限定公開/2019年・2020年は特別拝観中止】
「伝法院庭園」(でんぽういんていえん)は東京を代表する観光名所「浅草寺」の境内にある庭園で、小堀遠州による作庭と伝わります。国指定名勝。
ここ数年は(2010年代に通い始めて)例年春期の3月中旬〜5月上旬のみ期間限定で特別拝観が行われていましたが、2019年は庭園整備工事の為公開されないとのこと。ちなみに2020年現在も修復中という情報をお聞きしています(※なので2020年3月現在、公開情報無し)。次回の公開時期未定のようですが整備後の姿も待ち遠しい。
「浅草寺」(せんそうじ)は東京都内最古の寺院と言われています。お寺というより観光名所としての印象が強すぎますが、江戸を含めた関東一帯に国を移された徳川家康により祈願所とされ、江戸時代に入り江戸幕府三代目将軍・徳川家光の援助により五重塔や大きな本堂が建立され繁栄。その後第二次世界大戦の東京大空襲で焼失したため、現在の建造物は昭和中期に再建されたもの。
通常非公開の「伝法院」は浅草寺の本坊にあたる建造物。江戸時代初期に大名であり茶人としても有名で、江戸幕府の作事奉行を務めていた小堀遠州によりその池泉回遊式庭園が作庭されたと伝わります。
東京には大名庭園という形で多くの池泉回遊式庭園が残されていますが、こちらはあくまで寺院の庭園なので池の一段上に建てられている大書院から見下ろし眺める座観性が重要視されていることがわかります。庭園を回遊していると浅草寺五重塔や東京スカイツリーの借景がお見事!なのですが(スカイツリーの借景はとても現代的だけど、それもまた魅力的。)、年次で言うと浅草寺本堂や五重塔が再建されるのはこの庭園が造られた後のこと。
空襲により浅草寺本堂や五重塔が焼失した一方で、江戸時代中期に建てらてた伝法院の客殿(非公開)や明治〜大正時代に再建されたという大書院・小書院・新書院は国指定重要文化財となっています。客殿は2018年の拝観時には工事をしている様子でした。池泉庭園はそちらの方へ続いているので、いつかそちらからも眺めてみたい…。
そのほか庭園内にある茶室「天祐庵」は表千家の「不審庵」の写しであり、江戸時代後期の建築。またこれまでの特別公開時の推しは、大きな2つの枝垂れ桜。名庭師による庭園と五重塔・スカイツリーの借景、そして美しい枝垂れ桜――いつか期間限定公開ではなく常時公開になってほしい名園!
(2014年3月、2017年4月、2018年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)