戦国大名・朝倉氏の築いた城下町の復元された武家屋敷の町並み。広い遺跡には他にも庭園の遺構が――
一乗谷朝倉氏遺跡 復元武家屋敷庭園について
「一乗谷朝倉氏遺跡」(いちじょうだにあさくらいせき)は国の特別史跡となっている、戦国大名・朝倉氏の館跡を中心とした城下町一帯。
戦国時代、越前朝倉氏の城下町として100年の歴史を築いた一乗谷。室町時代の終わりに織田信長軍によって滅ぼされ一帯が焼き払われて以降、約400年間に渡り再開発されることなく現代を迎えました。それにより室町時代に作庭された庭園の遺構(石組など)が良好に保存されていた…というか埋もれていたことから、『一乗谷朝倉氏庭園』として、朝倉義景館跡庭園、湯殿跡庭園、諏訪館跡庭園、南陽寺跡庭園の4箇所が国の特別名勝となっています。
・朝倉義景の館に作庭された『義景館跡庭園』の紹介はこちら。
・朝倉孝景の時代に作庭された一乗谷で最も古い『湯殿跡庭園』はこちら。
・一乗谷で最も大きな規模の池泉回遊式庭園『諏訪館跡庭園』はこちら。
・室町幕府将軍・足利義昭をもてなす為に作庭されたと言う『南陽寺跡庭園』はこちら。
名勝指定を受けている上記4箇所以外にも、この一帯で発掘された庭園の数は15箇所にも登るとのこと。このエントリではそれ以外の庭園の遺構らしきものや復元された城下町の町並みを紹介します。
■復原町並(2〜7枚目)
朝倉家の居館の眼の前、一乗谷城の麓にあったのが一乗谷の武家屋敷群。現在公開されている「復原町並」は平成年代に復元された「原寸大の立体模型」であり、かつての武家屋敷やその町並みとともに、広場では庭園の遺構なども見られます(朝倉氏庭園のようにはっきりとはわからないけど)。
■中の御殿跡(9〜12枚目)
朝倉義景館の「湯殿跡庭園」と「諏訪館跡庭園」から近くの高台にある『中の御殿』は朝倉義景の母・高徳院(光徳院)が居住していたと伝わるお屋敷。その他の朝倉館の庭園のように多くの石組が残っているわけではないのですが(戦後に畑耕作のために引き抜かれたのだとか)、ほんの少し石の遺構と池泉を示す白砂が敷かれています。
それ以外は、最後から2枚目が「平面復元地区」、最後が一乗谷駅からも近い『福井県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館』の現代的な(幾何学的な)庭園。資料館では昭和の中頃から長期間行われてきた発掘調査で出土した品が展示されていて、当時の発掘作業から国指定重要文化財になったアイテムは2,000品以上(その一部も展示されています!)。少し室町時代に近づいた気になれる…!?
今回は8年ぶりと超久々だったので名勝庭園の再訪メインだったけれど。次回一乗谷へ行く時は当地に残る寺社なども巡りたい!
(2011年3月、2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR越美北線 一乗谷駅より約2km(徒歩約30分・駅前の資料館にレンタサイクルあり)
JR福井駅より路線バス「武家屋敷前(復原町並)」バス停下車
〒910-2153 福井県福井市城戸ノ内町28-37 MAP