約1500年前、日本に漢字を伝えた「王仁」により作庭されたと言われる日本最古の庭園の一つ。滋賀県指定名勝。
阿自岐神社庭園について
「阿自岐神社」(あじきじんじゃ)は1500年以上前、飛鳥時代より以前に百済から古代日本へ渡来してきた「阿自岐」(阿直岐)氏が祭神として祀られている神社。境内にある多島式庭園が滋賀県指定名勝となっています。
阿自岐氏は「古事記」や「日本書紀」には百済から派遣されてきた高官として記録が残るそうで、阿自岐神社のある場所はかつて阿自岐氏の自邸があったとも伝わります(道を挟んだ向かいの広場には「阿自岐の郷」の石碑・モニュメントも)。豊郷町による紹介によると、この庭園は阿自岐氏が日本に漢字を伝えた「王仁」を招いて作庭したとされ、日本最古の庭園の一つと言われます。実際に今回初めて「飛鳥時代以前」というタグをつけました!
「阿自岐神社」としての創建もはっきりしていませんが平安時代の史料にその名前が残るそう。現在残る社殿は江戸時代初期に完成したもので、滋賀県指定有形文化財(それ以前のものは、やはりというか…織田信長の兵火により焼失)。また境内には多くの石灯籠が並びます。
境内の多くを占める神苑「阿自岐神社庭園」は大きな池泉と複数の島からなる多島式庭園。こうしたタイプの庭園は三重県指定名勝の『伊奈冨神社庭園』もそうでしたが、阿自岐神社の方が規模は大きく船遊もできそう広さ。現在は社殿の東側の池にのみ水が入っていて西側の池泉の様子を伺うのは難しかったけど、下記「滋賀文化のススメ」内でのインタビューにある通り管理が大変だろうなあ…と思います。
現在はすぐ近隣に国道8号線の広い道路と社殿の目の前ににも県道?が通り、この歴史ある池泉庭園が分断されていた時代もあったそう。昭和後期に文化財の調査・保護を目的として現在の池泉の形に復元。島と島を結ぶ石橋は江戸時代に架けられたもの。どの時期が見頃か今回はわからなかったけど――あまり樹木が生い茂っている時期よりは冬場のほうが歴史ある池が見易かったかな?今回は多くの水鳥の憩いの場になっていました。
(2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR琵琶湖線 河瀬駅より徒歩約25分
近江鉄道本線 豊郷駅より徒歩約30分(豊郷小学校旧校舎群にレンタサイクルあり)
河瀬駅、豊郷駅から乗合タクシー・河瀬東〜豊郷線利用「阿自岐神社前」下車すぐ。詳しくはこちら
〒529-1171 滋賀県犬上郡豊郷町安食西663 MAP