茶道宗和流の祖・金森宗和により作庭された、ドウダンツツジと苔の美しい庭園。岐阜県指定名勝。
禅昌寺庭園「萬歳洞」について
「禅昌寺」(ぜんしょうじ)は古くは平安時代の創建と伝わる寺院。鎌倉時代末期には鎌倉幕府9代将軍・守邦親王の祈願所となり、戦国時代には飛騨国を治めた三木氏の菩提寺に。
岐阜県指定名勝の庭園「萬歳洞」(ばんざいどう)の作庭は飛騨高山出身で桃山〜江戸時代初期の武将・茶人であり茶道宗和流の祖・金森宗和と伝わります(パンフレットにも観光サイトにも詳細の年代は書いていないのですが、生まれ年的に江戸初期であると思われます)。
「萬歳洞」という変わった名前のルーツは不明ですが素晴らしい庭園でした!こじんまりとした心字池の、印象としてはとても狭い池泉鑑賞式庭園なのですが、今回訪れた秋はドウダンツツジが赤く染まり(…と言うにはちょっともう葉が落ちてしまってるけど)、そして斜面の上の方では紅葉がきれい。そして苔も美しい。ドウダン以外にもサツキが多く植わっているので初夏も庭園の見頃の一つ。パンフレットに載っている積雪した庭園の写真も美しい!
庭園以外にも多くの文化財のある庭園で、境内の裏山にある「禅昌寺の大スギ」は樹齢1300年として国の天然記念物に指定。また雪舟による「大達磨」(八方にらみ達磨)や、岐阜県指定重要文化財の白隠禅師による書などの展示も。立派な大方丈、大庫裏、大書院、山門、勅使門は江戸時代中期〜後期に建てられたもので境内前のお堀とともにお寺の大きさを感じます――が、下呂温泉の中心部から多少離れているのもあり他に拝観客は居らず…。だから静かに拝観できるのですが、地域の宝を見てもらえないのは寂しくもある――。
多くの人で賑わっていた下呂市内の「温泉寺」は禅昌寺の末寺にあたるそうです。
(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR高山本線 禅昌寺駅より徒歩7分
下呂駅より路線バス「禅昌寺」バス停より徒歩3分
下呂駅より約5km(※駅前にレンタサイクルあり、但し交通量多く非推奨)
〒509-2514 岐阜県下呂市萩原町中呂1819 MAP