上杉謙信が祀られた神社の境内、米沢城の御殿跡に残る池泉回遊式庭園と、伊東忠太設計による神社建築。
上杉神社庭園について
「上杉神社」(うえすぎじんじゃ)は明治時代に創建された上杉謙信と米沢藩9代目藩主・上杉鷹山をまつる神社で、江戸時代まで米沢藩の城郭「米沢城」の本丸だった場所に造られました。現在の社殿は近代を代表する建築家のひとり・伊東忠太によって大正時代に再建されたもの。
2018年11月に初めて訪れ、そしてその半年後の2019年5月に再訪!令和元年、御朱印待ちの人が多かった。
続日本100名城にも選定されている米沢城(別名・舞鶴城)の歴史は鎌倉時代にさかのぼります。戦国時代には伊達氏の居城となり、伊達政宗が生まれたのはこの米沢城。現在の参道の袖に伊達政宗生誕地の碑が立ちます。
江戸時代となりそれまで越後国を治めていた五大老・上杉景勝が米沢藩に入り、そこから明治維新を迎えるまで上杉氏が米沢藩を治めました。参道に“天地人”の像(上杉景勝と直江兼続)があるように、初代藩主・上杉景勝を支え(一足先に米沢城主を務め)米沢城下町の礎を築いたのは直江兼続。
明治の廃藩置県後、米沢城本丸跡に上杉神社が造営。大正時代の大火によりそれ以前の建造物は焼失してしまったため、現在の建物はほぼそれ以降のものですが、『平安神宮』や『築地本願寺』など近代の有名寺社仏閣建築を数多く手掛けた伊東忠太(米沢出身)により社殿と宝物殿「上杉神社稽照殿」(けいしょうでん)が手掛けられました。
この稽照殿と本丸へと渡る「舞鶴橋」(明治時代の作)が国登録有形文化財で、宝物殿には上杉謙信を含めた上杉家ゆかりの品々や直江兼続ゆかりの甲冑など、国重要文化財クラスの宝物が数多く展示。
参道の左右に池泉回遊式の庭園(神苑)があります。社殿向かって左手にある池泉庭園(写真1・6〜13枚目)はその築山に組まれた滝石組や三段の滝?が凝った作りで気になる――江戸時代の作風?現在社殿が建つ場所にはかつて米沢城奥御殿があったそうなので、その庭園として造られたものなのかも――と思うけど案内板などには庭園の説明はなかったので正確な情報は不明。
なお上杉神社を含む米沢城址は「松が岬公園」という名の都市公園でもあり、米沢城本丸を取り囲む濠には200本の桜の木と約1,100株のツツジが植えられており、春には桜やツツジの名所――今回はちょうど桜が終わり、ツツジが染まるまでの間。また訪れたい神社です!
(2018年11月、2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山形新幹線 米沢駅より徒歩約30分 ※駅前にレンタサイクルあり
米沢駅より路線バス「上杉神社前」バス停下車 徒歩3分
〒992-0052 山形県米沢市丸の内1丁目4 MAP