新田義貞や徳川四天王”榊原康政ゆかりの歴史あるつつじの名所はアメリカのツツジ協会が選ぶ“世界一”のツツジ庭園。国指定名勝。
躑躅ヶ岡/つつじが岡公園について
「躑躅ヶ岡」(つつじがおか)は群馬県館林市で江戸時代以前から続くツツジの名所で、国指定文化財(国指定名勝)や日本遺産、日本の歴史公園100選に選定。現在はその一帯が館林市の都市公園『つつじが岡公園』となっています。池泉回遊式庭園『花山日本庭園』も。
ツツジが見頃を迎える毎年4月中旬〜5月上旬には『つつじまつり』も開催。期間中には10万人以上が訪れる館林市で最大のイベント・お祭りなのだそう。2022年5月のつつじまつり期間中に初めて訪れました!
「城沼」を北に置いて東西に長く広がるつつじが岡公園。国指定名勝の「躑躅ヶ岡」はそのほぼ最東部に位置します。
その歴史は古く、室町時代には“躑躅ヶ崎”と呼ばれるヤマツツジの自生地だったとか。その後、桃山時代の1590年(天正18年)に初代館林城主となった”徳川四天王”榊原康政がこの地でツツジを植樹したことに発し、以降の歴代城主・藩主によって保護・育成・園地として整備が進められました。現在では園内全体で100種類以上、約1万株のツツジが植わっているとか。
国指定名勝のエリア(旧公園)の中でも最も古いのが「勾当内侍遺愛のツツジ」と呼ばれる推定樹齢800年の日本一のヤマツツジの巨樹。かの武将・新田義貞が妻(勾当内侍)のために植えたと伝わるツツジで、1627年(寛永4年)三代目館林城主・榊原忠次により館林領内の別の場所(花見塚)からこの地に移植されました。
ツツジの見頃の時期にはその丘全体がピンク〜赤色に染まり、江戸時代から地元の人には「花山」と呼ばれているとか。地名や昭和年代に作庭された池泉回遊式庭園「花山日本庭園」などにその名が残っています。昭和年代にはアメリカのツツジ・シャクナゲ協会会長が『躑躅ヶ岡のツツジが世界一』と評したとも。
変わり種では地元出身の宇宙飛行士・向井千秋さんが宇宙に持って行った種子から育てられた「宇宙つつじ」もあります。
ツツジの見頃は春ですが、都市公園として一年を通じて様々な草花が楽しめるようになっていて、つつじまつりに次いで公園に多く人が訪れるのは『夏の城沼花ハスまつり』。つつじ園の一角にある「城沼」の渡船場からハスの花咲く城沼が満喫できるそう。
そして現代に拡張された園内西部の“四季の庭”では梅林、もみじの池、アヤメ・カキツバタ・花菖蒲などの楽しめる“水生植物池”など。冬には『つつじが岡公園イルミネーション』も開催。日本を代表するツツジの名所に一度訪れてみて!
(2022年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
東武伊勢崎線 館林駅より約3km(*駅近にレンタサイクルあり)
館林駅より路線バス「つつじが岡公園」バス停下車すぐ(*国指定名勝エリアまでは徒歩8分程)
〒374-0005 群馬県館林市花山町3278 MAP