明治時代に“日本の公園の父”本多静六や鈴木禎次らにより作庭された名古屋最初の近代公園。国登録名勝。
鶴舞公園について
「鶴舞公園」(つるまこうえん)は明治時代に名古屋市が造営した最初の公園。国登録記念物(名勝地関係)や日本の歴史公園100選に選定。噴水塔は名古屋市指定文化財、敷地東部には国指定史跡の古墳「八幡山古墳」もあります。
2020年夏にひさびさに訪れました。足を運んだのは初めてではないのですが、実は国の文化財庭園だった――と知ったのはここ2、3年のこと。今回はそれ目的の散歩。あと公園名は「つるまい」じゃなくて「つるま」なんですね。
1909年(明治42年)に名古屋市最初の公園として開園し、東京『日比谷公園』のように西洋からの影響が反映された整形式庭園と、池泉回遊式の日本庭園と両方のエリアが備わっています。
全体の設計計画を“日本最初のランドスケープ・デザイナー”本多静六と鈴木禎次、そして日本庭園の作庭は名古屋茶道の主要人物だった村瀬玄中(裏千家11代目玄々斎の高弟)と松尾宗見(松尾流九代目)が担当。それぞれの庭園が完成をみたのは1920年(大正9年)頃。
鶴舞駅から杉並木を抜けると鶴舞公園のシンボル「噴水塔」。その先の「奏楽堂」とともに設計を担当したのが鈴木禎次。庭園関連でも名古屋の『揚輝荘庭園』のほか、桑名の『諸戸氏庭園』にも携わっている方。庭園じゃないけど個人的に岡崎の『旧岡崎銀行本店』、徳島の『旧高原ビル』とかは見に行ったことある。昭和初期の近代建築『名古屋市公会堂』とともに洋風庭園の世界観を作っています。
その先に進むと、池泉回遊式の和風庭園のエリアに。まずは“胡蝶ヶ池”。コンクリートの橋“鈴菜橋”を中心として蝶が羽を広げたような形をして池泉ということでその名が付けられました。中の島にある鶴の噴水が印象的。
鈴菜橋の先へ進むと初夏に見頃を迎えるショウブ池があり、“竜ヶ池”へと至ります。竜ヶ池、現在は中央に浮見堂があるだけの大きな池という感じですがここまでがかつての日本庭園。そして園内東部に道路を挟んで国指定史跡の八幡山古墳があります。
その他にも広大な公園には梅園、桜園、バラ園、あじさいの散歩道、紅葉が美しい“秋の池”など季節の花木を見られたり、…今回気づかなかったのだけど“鶴々亭”“百華庵”という大正~昭和初期の茶室も。次回訪れる際に見たいと思います…!
(2020年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)