東山荘庭園

Tozanso Garden, Nagoya, Aichi

崖造り風の近代和風住宅と、葉に埋れつつある豪快な滝石組が往時のすごさを感じさせる回遊式庭園。国登録有形文化財。

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東山荘庭園について

「東山荘」(とうざんそう)は名古屋市都市景観重要建築物や国登録有形文化財に選定されている大正時代の近代和風建築。約1万2千平方メートルの広大な敷地には建物を取り囲んで回遊式日本庭園が残されています。Jリーグ・名古屋グランパスの本拠地、パロマ瑞穂スタジアムから北へ真っ直ぐ徒歩20分。

以前から行きたいと思っていた場所。2020年夏に『八勝館』を訪れた流れで初めて訪れました。あまり古い建物や庭園が残されていないイメージのある名古屋だけど、市内の東側にはまだまだあるな〜。

この東山荘は綿布商の伊東信一により大正1年から約10年かけて建造された別荘。名古屋や京都の“東山”からインスパイアされた…のではなく伊東氏の山荘という意味で“東山荘”と名付けられました。
氏が亡くなられたのち遺言により名古屋市に寄贈され一般公開が開始。一時は市長公舎として活用され非公開になった時期もあったようですが、1968年(昭和43年)からの50余年は市民向けの貸室として用いられています。それだけの歴史があるだけあって、この日も(このご時世だけど)色んな撮影会で中の部屋は埋まってました。

ということで今回内部の見学はできなかったけど、庭園は無料で散策することができます。主屋の目の前に広がるのは枯山水庭園…だけど、庭園よりも崖造りのようなデザインになっていている主屋2階に目が行く(しかもその裏手には洋館部分がある。近代建築〜!)。2階から庭園見てみたいなー。

そしてこの庭園のスケールの大きさを感じるのは茶室“仰西庵”の露地庭から続いていく斜面下。もう水も流れておらす、配されている石も葉っぱと土の中に埋れつつあるけれど——かなり豪快な滝が組まれていたってのが石組からヒシヒシ感じられる。これはすごい。

印象的には東京の『旧朝倉家住宅』『五島美術館』の斜面を活かした回遊式庭園に近いんだけど——東山荘の方がスケールは大きそうで、園路図で見るとこの斜面の外周部分こそが園内の2/3を占める…。それは管理し切れないよなあって気もするので、せめて古写真で往時の姿を見てみたい!

お茶室も現在は主屋から連なる“仰西庵”、“東丘庵”が残っていますが、かつてはもう一棟“清雪庵”というものがあり、現在は『熱田神宮』に移築されているそうです。次回熱田神宮行く時にチェックしてみよう。

(2020年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

名古屋市営地下鉄桜通線 瑞穂区役所駅より徒歩15分
金山・栄・桜山駅から路線バス「田辺通二丁目」バス停下車 徒歩3分

〒467-0028 愛知県名古屋市瑞穂区初日町2丁目2 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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