空海が建立し、徳川家光により再建された国宝の五重塔を借景に望む回遊式庭園。春や秋にはライトアップも。
教王護国寺(東寺)について
「東寺」こと「教王護国寺」(きょうおうごこくじ)は世界遺産「古都京都の文化財」にも構成されている京都を代表する寺院の一つ。塔頭に国宝の客殿と枯山水庭園が見所の『観智院』があります。
平安時代の初めに平安京の鎮護の寺として建立。その後、嵯峨天皇により弘法大師・空海に東寺が与えられ、真言宗の根本道場として興隆し今日に至ります。空海は高野山に入るまでの約10年間をこの東寺で過ごしたそう。
現在国宝となっている五重塔や金堂、御影堂(大師堂)も原形は空海によって形作られたとされます。その後の天災・焼失などにより現在残るものはそれぞれ再建後のもので、御影堂は南北朝時代、金堂は桃山時代末期に片桐且元によって再建されたもの、そして五重塔は江戸時代初期に江戸幕府3代目将軍・徳川家光の命により再建されたもの。その他、国宝を含む仏像が安置されている講堂は室町時代の建築で国指定重要文化財。
2019年春にトーハクで特別展をやっていたように、文化財類だけでも語るべきところが沢山ある寺院だとは思いつつ――そこは詳しい別の人たちに任せて、フォーカスしないで庭園の話へ。
五重塔の足元に「瓢箪池」を中心とした池泉回遊式庭園があります。春にはサクラ、晩春〜初夏にはサツキや蓮の花が美しくなるそう。今回訪れたのは3月末の春の桜のライトアップ期間だったのですが、一部のサクラは開花していたけど咲き誇るにはまだちょっと早かった――。
この庭園については情報が少なく、元々“庭園”として造営されたものではないとも言われます。江戸時代、工事でできた窪みに雨水が溜まって池になった――なんて説も(当時の東寺の絵図とかって無いのかなあ)。でも、今となっては立派な回遊式の日本庭園という雰囲気で多くの観光客のフォトスポットに。水面越しに眺める五重塔も美しい!
ちなみに東寺には非公開の7代目小川治兵衛(植治)の庭園もあるそう。いつか見たいなー!
(2019年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)