京の冬の旅2021で特別公開。世界遺産寺院“東寺”に残る、七代目小川治兵衛作庭の庭園“澄心苑”。堂本印象の襖絵も。
東寺小子房庭園“澄心苑”について
【通常非公開】
「小子房」(しょうしぼう)は世界遺産の寺院・東寺こと『教王護国寺』の堂宇の一つ。近代京都を代表する作庭家・7代目小川治兵衛(植治)により作庭された庭園“澄心苑”があります。
通常非公開ですが、2021年の『京の冬の旅』で8年ぶりの特別公開。初めて拝観しました!(*堂内は撮影不可、庭園は撮影可)
鎌倉時代、後宇多天皇が真言密教の修行をされるにあたり建立された庵に「小子房」と名付けたのがその起源。南北朝時代には北朝の光厳上皇が御所としても利用され、以来東寺の中で天皇などをお迎えする迎賓館的な施設となっています。現在修復中だったお隣の建物が客殿。
現在の小子房は弘法大師空海の1100年御遠忌にあたり1933年~1934年(昭和9年)にかけて再建されたもの。総木曾檜造という贅を尽くした木造建築であり、また堂内の襖絵・障壁画はすべて近代日本画の巨匠・堂本印象によって描かれています。
最も格式高い“勅使の間”には金箔の地に鮮やかに描かれた“渓流に鶴”“日輪山嶽図”が、そして牡丹の間・瓜の間・枇杷の間・鷲の間・雛鶏の間には水墨画。
そして境内西部の池泉庭園“澄心苑”(ちょうしんえん)は七代目小川治兵衛(植治)による作庭で、京都市では『ウェスティン都ホテル 葵殿庭園』や『金福寺庭園』などと並び氏の最晩年に手掛けた庭園の一つ。
鎌倉時代に建てられた国宝の「蓮花門」を風景の一つとして取り込み、築山の上には『御所西平安ホテル』でも見られるような上流からの川の流れが演出されている。あと使われている石がこちらも植治の『源鳳院庭園』とめっちゃ似てるなと思った。
あと明記されていないんだけど南部分の白砂と刈込、苔による枯山水庭園も同時に作庭されたものかなあ?この庭園の左手側には東寺五重塔をのぞむことができる。少し木が高くなって“見え隠れする”感じにはなっているけど、上段の間からの目線的に、襖・障子を全て開けたら正面に五重塔が来るようにできていたんだろうな~。
今回は梅が見頃を迎えていたけれど、もう少し経ったら枝垂れ桜も庭園を彩りそう。「京の冬の旅」の公開は2021年3月18日(木)で終わりだけど、「春の公開が別途開催される予定」とあるので、引き続き東寺の公式サイトをチェック。
(2021年3月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR東海道新幹線 京都駅より徒歩20分弱
近鉄京都線 東寺駅より徒歩9分
最寄りバス停は「東寺南門前」バス停 徒歩2分
〒601-8473 京都府京都市南区九条町1 MAP