大徳寺 大仙院庭園

Daitokuji Daisenin Temple Garden, Kyoto

“庭の国宝”国の特別名勝に指定、室町時代に作庭の京都及び日本を代表する枯山水庭園の一つ。本堂も国宝、秀吉/利休/沢庵和尚/宮本武蔵ゆかりの茶室も。

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大徳寺 大仙院庭園について

「大仙院」(だいせんいん)は京都を代表する禅寺の一つ・臨済宗大徳寺派の本山『大徳寺』の塔頭寺院の一つ。その建築(方丈)は国宝、庭園(書院庭園)は古岳宗亘禅師により室町時代に作庭され“庭の国宝”国の特別名勝に指定されている、枯山水庭園の代表作の一つ。

これまで(〜2024年まで)庭園含めて境内の撮影は禁止でしたが、ここ最近、庭園のみ(堂内以外)写真撮影可能となりました。ということで“庭の国宝”の枯山水庭園の写真を色んな角度で紹介…!

その歴史について。室町時代の1509年(永正6年)、近江国守護・六角政頼の子(=戦国大名・六角高頼の兄弟?)で大徳寺の76代住職・大聖国師こと古岳宗亘禅師により創建。大徳寺に四つある派閥のうち、『龍源院』を中心とする南派(龍源派)に対してこちらは北派(大仙派)の中心寺院。

室町時代には後柏原天皇や六角家を継いだ六角貞頼などの武家や公家の帰依を受け繁栄、多くの茶人が帰依した春屋宗園が住職を務められた頃には千利休もしばしば滞在したそう。

■大仙院書院庭園(特別名勝/11〜23枚目)
特別名勝となっているのは書院の周りにL字型にある枯山水庭園。先述通り創建時に古岳宗亘により作庭されたと伝わり、『龍安寺石庭』と並び室町時代および日本庭園の歴史を代表する枯山水庭園の一つ。阿波の青石を水流に見立て、石を立て山と滝、渓流を表現し、白砂の大海へ流れ込む様が描かれた庭園は今この現代に見ても豪快でかっこいい。大きな船石(沈香石)も特徴的な造形。

なおこの庭園に面する書院「拾雲軒」も国指定重要文化財。桃山時代には千利休が豊臣秀吉にお茶を振る舞ったと伝わり、江戸時代にはかの剣豪・宮本武蔵と大徳寺の住職も務めた沢庵宗彭和尚ゆかりのスポット。

■本堂(国宝)&大仙院庭園(国指定名勝)(5〜8枚目)
そして国宝の本堂(方丈)は書院庭園より少し後、1513年(永正10年)の建築で、京都及び日本国内では東福寺『龍吟庵』の方丈に次ぐ古さをほこります。方丈前の白砂の庭園も書院庭園とは別で“庭園の重要文化財”国指定名勝です。

■中海(10枚目)
本堂〜書院庭園をつなぐ回廊の途中にある石庭「中海」。こちらは昭和〜平成を代表する造園家・中根金作による作庭。この庭園脇のお手洗いの傍にある飛び石、その目線の先の現代彫刻も気になります。(9枚目)

その他にも相阿弥狩野元信狩野之信といった室町時代のアーティストにより描かれた襖絵も国指定重要文化財となっています。撮影は不可ですが、一見の価値ありの京都を代表する寺院の一つ。

(2014年6月、2021年4月、2025年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

京都市営地下鉄烏丸線 北大路駅より徒歩20分
最寄りバス停は「大徳寺前」バス停下車 徒歩6分

〒603-8231 京都府京都市北区紫野大徳寺町54-1 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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