新潟の豪雪地帯に造られた日本で最も美しい苔庭 ― 田中泰阿弥作庭の石庭と、江戸中期の池泉鑑賞式庭園。国指定名勝。
貞観園について
国指定名勝。「貞観園」(ていかんえん)は江戸時代から続く大庄屋・村山家の屋敷に造られた庭園で、この庭園や主屋「貞観堂」は江戸時代中期に造られたもの。
奥行きの深い池泉鑑賞式庭園(本来は池泉回遊式だそうですが、現在は主屋からの鑑賞のみ)の作庭は当時の幕府の庭師・九段仁右衛門、藤井友之進と、その後は茶人・松村宗悦も庭園の改修に関わったとされます。また前庭として造られた龍安寺の石庭のような石組の枯山水庭園は新潟で数多くの名園を手掛けた田中泰阿弥に昭和時代に作庭されたもの。
もう期待以上に素晴らしい庭園だった…!とにかく苔が美しい!!!有名な「苔庭」を含めこれまで多くの庭園を見てきましたが、これまで見た中でもトップ3に入る…いや、最も苔がきれいと言っていい庭園だと思う。
あんなモッコモコな一面の苔初めて見た…造られた綺麗さというよりもっと根本、自然に育ってる感じが全然違う。「気候的に苔が育ちやすい環境なのかも」と言われたけど、信じる(冬季は豪雪地帯で休園になるので、そうした土地柄もあるのかな)。新潟の豪農の庭園は名園が多いのですが、ここはその中でも一番かもしれないなあー。
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これも「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」ついでに行った庭園で、まつだいの「桐山集落」から約8km。
貞観園のある旧・高柳町は現・柏崎市の最南部に位置し、十日町の市街地の方が若干ながら近い。貞観園近くの商店街では商家を改装したアートギャラリーや、シャッター・アート、広場に野外アート作品があったりと、行くまで知らなかったけどこちらでも「アートな街づくり」をしています。
また「じょんのび高柳」というキャッチフレーズ(ゆったり、みたいな意味だそう)を打ち出していて、貞観園から4km程にある「荻ノ島」の集落では茅葺屋根の並ぶ、日本の美しい原風景も見られます――と、そこも行きたいと思っていたのに今回はすっかり忘れていた……貞観園ともどもまた行きたい!
(2018年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR信越線 柏崎駅より路線バスで約50分「貞観園前」または「高柳農協前」バス停下車 徒歩3分
※柏崎の市街地と十日町の市街地のちょうど中間あたり。
〒945-1502 新潟県柏崎市高柳町岡野町593 MAP