日本遺産“藍のふるさと 阿波”に構成される国指定重要文化財の藍商屋敷と、その枯山水庭園。見学は要予約。
田中家藍屋敷について
【要事前予約&日・祝のみ】
「田中家藍屋敷」(たなかけあいやしき)は2019年に日本遺産に認定された『藍のふるさと 阿波』にも構成される藍商の屋敷。江戸時代末期に建てられた主屋をはじめ、表門、番屋、味噌部屋、北藍寝床、南藍寝床などが国指定重要文化財となっています。
2019年5月の日本遺産の発表で“城構え”と呼ばれる藍屋敷の写真を見て、行ってみたい!と思い藍住町の『藍の館』の後に8月に訪れました。
現在も個人の住宅となるため事前予約が必要。実はこの日、台風が迫る中だったので…雨戸は全て閉められ内部の見学はできなかったのですが…外観と庭園を見学させていただきました(感謝)。それにしても外塀の大きさ!
田中家は江戸時代初期、寛永年間から続く藍商人。この地は昔から吉野川が氾濫すると洪水が起こっていた場で、稲作が困難である一方その土壌が藍の栽培に適していたんだそう。
現在残る建物は1854年(安政年間)から約30年かけて建造されたもので、そんな洪水対策として阿波の青石と撫養石で高い石垣を築き、敷地も土を盛ってその上に大きな屋敷が建っているというのが特徴。更には主屋の茅葺きはいざと言う時ボートになるように設計されているのだとか!先人の知恵。
主屋から眺められる枯山水庭園があります。個別の解説はないので年代は不明ですが、時折伽藍石が配されている飛び石の特徴から近代のものなのかな。サツキやツツジの刈込による亀島やイヌマキ?が特徴的。
石の感じは『藍の館』の園路と似ている感じがして――そういえば元藍商の屋敷の『阿波十郎兵衛屋敷』も“鶴亀の庭”だ。
これまで徳島では『阿波国分寺庭園』や『童学寺庭園』など寺院の庭園を中心に取り上げてきたけれど、藍商(商家)の庭園というジャンル/カルチャーもあったんだと思うのですよね。撫養街道沿い・伊予街道沿いの古民家、今後も色々訪れたいなあ。
(2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR高徳線 徳島駅より路線バス フジグラン石井行「高畑東」バス停下車 徒歩3分
JR徳島線 石井駅より3km弱(徒歩35分)
〒779-3213 徳島県名西郡石井町藍畑高畑705 MAP