江戸時代に一音法印が手掛けた、国宝“西塔”を借景にのぞむ苔と紅葉の美しい回遊式庭園。関西花の寺二十五ヵ所。
當麻寺 西南院庭園について
「當麻寺」(たいまでら)は飛鳥時代に聖徳太子の弟・麻呂古王によって創建されたと伝わる寺院。奈良時代に建立された三重塔“東塔”、平安時代に建立された“西塔”や“本堂”など建造物の多くが国宝・国指定重要文化財。
その塔頭寺院「西南院」(さいないん)には国宝の“西塔”を借景にのぞむ池泉回遊式庭園や東西両塔を眺められるみはらし台があります。国指定名勝の『中之坊庭園』に負けず劣らずの素敵な庭園は「関西花の寺二十五ヵ所」の第21番霊場。2020年7月、約5年ぶりに訪れました!
その歴史は古く、飛鳥時代の683年(白鳳12年)に建立。平安時代に入り823年(弘仁14年)に弘法大師空海が訪問・滞在して以来高野山真言宗の寺院になり現在に至ります。その時代に作られた御本尊の十一面観音菩薩像、聖観音菩薩像、千手観音菩薩像は“西南院 三観音”と呼ばれいずれも国重文。
その池泉回遊式庭園は江戸時代初期に作庭され、その後江戸中期に一音法印により改修されたもの。ちなみに“法印”というワード、真言宗では役職の一つみたいな感じ?
周囲の苔が美しい心字池を中心に、その池と鶴亀島の周囲に飛び石が配され、斜面を活かした大きな滝が落ちている。その姿は書院でお抹茶をいただくとより美しく感じられます。書院から眺めるには別途400円かかりますが正面から見た庭園もすごく良いのでオススメ。
前回訪れた5月も今回訪れた7月にも緑一色に染まっていて、何より斜面から池泉に向かって振りかかる青もみじが美しい!秋もきっと圧巻の紅葉なんだろうなあ。そして“花の寺”たるゆえんは、春にはシャクナゲやボタンの花が咲きほこるため。あと5月下旬頃は多く植わっている小さなサツキに花が咲いてきれいなんだろうな。
心字池には晴れた日には西塔が写り込むそう。この日は雨だったのでそれはわからないけど…雨に濡れた飛び石や苔、モミジが好きです。ここは今後何度も訪れたい庭園!
(2015年5月、2020年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)