福山藩主・水野勝種が創建した神社、その神池は岡山・笠岡のカキツバタの名所…!近代に造営されたアーチ橋“眼鏡橋”は岡山県指定重要文化財。
菅原神社 眼鏡橋とカキツバタの名所“御手洗池”について
「菅原神社」(すがわらじんじゃ/すがはらじんじゃ)は岡山県笠岡市にある、江戸時代初期に創建と伝わる神社。神苑「御手洗池」はカキツバタの名所として知られ、池に架かる「眼鏡橋」が岡山県指定重要文化財。
古くから笠岡湾の干拓・埋立によって陸地を広げてきた笠岡の街。江戸時代には備後福山藩の領地として陣屋が置かれました。
この神社は岡山〜福山を結ぶ旧鴨方往来の通り沿いにあり、また所在する「吉浜」地区はその名前の通りかつては海岸線のあった場所。四代目福山藩主・水野勝種(水野勝慶)により埋め立てが進み、吉浜干拓地が完成したのを記念して1674年(延宝2年)に創建しました。その名の通り菅原道真を祀ります。
当初の本殿は水野家お抱えの大工・榊原太治エらによる建築だったそうですが、現在の本殿は1700年代に再建されたものと推測されています。笠岡市指定文化財。
その本殿よりも新しいけれど更にランクが上の岡山県指定重要文化財となっているのが、境内の低地部の“御手洗池”に架かる“眼鏡橋”。
1887年(明治20年)に笠岡の石工・佐藤豊吉(豊造)が棟梁として完成させた橋長11.2メートルのアーチ石橋。地元で産出される花崗岩の切石を石垣状に組み上げ、アーチは水面の中でも円を描いている全国的にも珍しいデザインなのだとか。当地の漢学者/実業家・久我房三による石碑も合わせて文化財。
言い換えると、この“御手洗池”も遅くとも明治時代には池泉庭園。岡山や笠岡のカキツバタの名所としても知られ、毎年5月上旬には2000株もの杜若の花が紫の花を咲かせます。
それ以後の季節には蓮の花が、そして秋には紅葉も目を楽しませてくれそうな菅原神社。眼鏡橋の造形とともにその風景を味わって。
(2024年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山陽本線 笠岡駅より約3km(駅前の観光案内所にレンタサイクルあり)
JR笠岡駅より路線バス「吉浜」バス停下車 徒歩3分
〒714-0074 岡山県笠岡市吉浜1660 MAP