金森可重が建立した戦国武将・金森長近の菩提寺の“宗和好みの庭”。高山市指定名勝。高山城から移築された本堂も。
素玄寺庭園について
【事前電話連絡推奨】
「高隆山 素玄寺」(そげんじ)は初代飛騨高山城主をつとめた戦国武将・金森長近の菩提寺として、その子で二代目藩主の金森可重により創建された寺院。本堂が高山市指定文化財、庭園が高山市指定名勝。飛騨三十三観音霊場4番札所。
2021年6月に約7年ぶりに訪れた飛騨高山。町並みの知名度と比べると有名な“庭園”は無い飛騨高山ですが、市指定史跡・市指定名勝の庭園が3つあります。こちらはその一つ。
国の重要伝統的建造物群保存地区の古い町並みの東部、東山の麓はお寺が立ち並ぶエリア。先に紹介した『宗猷寺庭園』から山裾の道を歩いていくと素玄寺に辿り着きます。先にお電話でご住職がいらっしゃる時は庭園も拝観可能とお聞きした上で伺いました。
1608年(慶長13年)京都伏見で没した金森長近。墓所は京都・大徳寺の『龍源院』にありますが、領地である高山にも菩提寺が建立されました。
当初の本堂が火災で焼失すると、1635年(寛永12年)に高山城二の丸から評議場として用いられていた建物が移築。創建よりも古い安土桃山時代の建造物が現代まで残ります。
伽藍の裏側に書院座敷から眺められる庭園があります。東山の斜面を活かした池泉回遊式庭園で、細長い池泉や滝石組といったところに『宗猷寺』との類似性が見られる“金森宗和好みの庭”。
もっとも“今年は(行事も少なく)見られる機会が少ないから、あまり手が行き届いてなくて…”とのことで。写真の印象よりも実際はもう少し飛び石もしっかりとある感じ。秋には頭上の多くの紅葉が美しそうなので、また今後季節を変えて再訪したい。
その他、金森家から寄進された金森長近の鶴毛陣羽織・軍扇・采配や金森長近肖像画などの寺宝も市指定文化財(※それらの寺宝は今回は見ていません)。中でも鶴毛陣羽織は豊臣秀吉から金森長近に贈られたものとも。
今回紹介した庭園以外にも“宗和好みの庭”と言い伝えられる庭園が飛騨高山では親しまれている。“金森宗和好みの庭園”、盛り上がるといいなあ。
(2021年6月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)