“桂離宮”と並ぶ、日本の王朝庭園の最高傑作。中離宮では“天下の三棚”と称される霞棚やその建築にも注目。
修学院離宮(中離宮・下離宮)について
【要事前予約】
「修学院離宮」(しゅうがくいんりきゅう)は江戸時代初期に後水尾上皇によって造営された離宮。『桂離宮』と並び、日本の皇室庭園・王朝庭園の最高傑作。
2019年10月に3度目の訪問、その時の写真を更新しました。なお先に言っておくと“個人の好み”では、より京都の山並みの風景が満喫できる修学院離宮の方が好きです。“山荘”らしい雰囲気が好きなんだろうなあ。
修学院離宮も郵送またはインターネットでの事前予約制ですが、
■京都の場合は京都御苑内の宮内庁事務所で対面で予約可能
■枠に空きがある場合は当日受付も可能
となっています。詳しい方法は宮内庁の公式サイトにて。これまで3度訪れましたが、3回とも事務所での受付で確保。約1時間半かけて宮内庁のガイドさんとともに庭園を回遊します。
2018年より有料となった桂離宮と違いこちらはまだ無料見学。この広大な名園の維持管理のためにこちらも早く有料化してほしい。
江戸時代初期の京都の庭園に欠かせない第108代目天皇・後水尾天皇。皇位を譲り上皇となった後の1639年に現在『圓通寺庭園』として国指定名勝となっている山荘「幡枝離宮」を造営。
幡枝離宮も比叡山の借景が美しくそれを最重要視して探し当てたそうですが、結果的にはそれで満足できなかったのかより比叡山に近い修学院の地に1655年(明暦元年)から離宮を造営。幡枝御殿へ出向くことはなくなり公家・近衛家に下賜。桂離宮に刺激を受け、その上で“山荘風”という自分の好みを突き詰めた後水尾上皇の渾身の傑作がこの『修学院離宮』です。
それにしても途中の田園地帯を含めてまあ広く、エリアとして受付のある下離宮から中離宮・そして最も高台に位置する上離宮という3つのエリアに分かれます。写真が選びきれないので下離宮・中離宮の紹介と、上離宮の紹介でエントリを分けています。
下離宮
■寿月観(1〜9枚目)
最初の庭園は御茶屋“寿月観”を中心とし、山の斜面を活かした流れが美しい池泉回遊式庭園。現在残るこけら葺き数寄屋風造りの寿月観は江戸時代後期、1824年に改修を経た姿ですが掲げられている扁額は後水尾上皇によるもの。また当初は「彎曲閣」という2階建の建築もあったそう。
中離宮
そして修学院離宮内にある田んぼのあぜ道を通り中離宮へ。おにわさんでは『白米千枚田』や『星峠の棚田』なども載せていたり棚田の風景もとても好きなので、この風景も込みで「修学院離宮最高だな」って思う。
■楽只軒(11〜20枚目)
そして中離宮の中心は“楽只軒”。古くは1668年に上皇の娘・光子内親王のために造営され、上皇の妻である東福門院が亡くなられた後の1682年に女院御所の一部を移築して拡張。
そのうち高台に位置する客殿には、桂離宮の桂棚、『醍醐寺三宝院』の醍醐棚とともに「天下の三棚」と称されるきらびやかな“霞棚”が見られます。
ちなみに今回の見学、海外から来られた建築家?のグループと一緒に最後方で回るみたいな感じになり、彼ら・彼女らの「これが気になるんだ!?」というのが面白かったので少しそんな写真も載っていたり。世界のそうした方に、よりこの傑作を見てもらいたい。
(2013年3月、2018年3月、2019年10月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)