新善光寺庭園

Shin-Zenkoji Temple Garden, Kyoto

2021年新たにあじさいスポット“紫陽花の丘”が作庭された“皇室ゆかりの花の寺”。特別拝観では狩野派の障壁画も。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

新善光寺庭園について

【初夏・紅葉期に特別拝観】
「一條殿 新善光寺」(しんぜんこうじ)は“御寺”の呼称でも知られる皇室の菩提寺『泉涌寺』の山内にある塔頭寺院(準別格本山)。後嵯峨天皇の勅願寺で、本堂・客殿・玄関・表門・中門の5棟が

過去に『京の冬の旅』でも特別公開されていた新善光寺、2021年11月の特別拝観『新善光寺展』で初めて訪れました。

鎌倉時代の1243年(寛元元年)、当初は『京都御所』西方の一条大宮に創建された新善光寺。その名の通り信濃(長野県)の『善光寺』に所縁があり、後嵯峨天皇の「都にも善光寺を(意訳)」という値願により創建。御本尊の阿弥陀如来立像は善光寺のものと同仏同体として鋳造されたもの。

室町時代に入り応仁の乱の戦災で焼失すると、後土御門天皇により泉涌寺山内に移転。時は流れ江戸時代初期の寛文年間(1661年~1673年)に孤雲正瑞により現在地に再興されました。大方丈など、現在見られる伽藍・建造物はそれ以降のもので、特別拝観では狩野派による障壁画を解説付きで鑑賞できます。

個人的に気になったのは大方丈に“玄洞”の号(だと思う)が入った書が数点掲げられていること。昭和の前半、多くのに寄付・再建や新築に尽力した山口玄洞…この新善光寺も支援していたのかな?(ご住職は「ちょっとわからない」とのことだったので違うかもだけど)

そしての花の寺”のキャッチコピー通り、境内は四季の花が咲く庭園があります。最も新しく作庭されたのは2021年に造園された“紫陽花の丘”。

■前庭
春には枝垂桜が、初夏には17株の紫陽花が苔の中で彩られる前庭。今回は紅葉やサザンカのピンク色の花がお庭を彩っていました。お庭自体は新しいと思うんだけど、その中に配されてる手水鉢は由緒ありそうな雰囲気。

■大方丈前庭園・本堂前庭園
大方丈から正面に眺められる庭園。手前は苔の中に伽藍石・庭石や飛び石が配され、奥には池泉庭園があり、池の畔の手水鉢は“花手水”が見られる季節も(今回はモミジの葉が浮かべられていた)。

現在はこのお庭の中を通って本堂に直接向かえるけど、所々新しい感じがするしきっと以前は『雲龍院』のような構造(玄関から建物内・渡り廊下を通って本堂へ向かう)で、鑑賞式の庭園だったんじゃないかなあ。苔の中に近年花壇が設けられたりと、“花の寺”への道は現在進行形。方丈前に庭園名と思しき文字が書かれた石碑があるけど、読めず…。

■大方丈東庭園
大方丈の東側にも苔と刈込が主体の庭園があります。ちなみに非公開の方丈北側には枝垂桜を主木としたまた別の庭園があるのだとか。

■紫陽花の丘
本堂前庭園の上段部には『京都泉涌寺七福神めぐり』の番外・愛染明王を祀る八角堂の“愛染堂”が。
その横の築山が2020年~2021年にかけて新たに“紫陽花の丘”が作庭。デザイン・施工は園芸家・青木純子さん。ここから前庭へと至る新たな回遊ルートでは100以上の紫陽花やツツジ、スイセンなど季節の草花が植栽されたそう。今度はアジサイの季節に訪れてみたい!

(2021年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR奈良線・京阪本線 東福寺駅より徒歩15分
最寄りバス停は「泉涌寺道」バス停 徒歩8分
京都駅から約2km(駅周辺・参道にシェアサイクルポートあり)

〒605-0977 京都府京都市東山区泉涌寺山内町31 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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