神勝寺 茶室“秀路軒”“一来庵”

Shinshoji Temple Tearoom ”Shuroken””Ichiraitei”, Fukuyama, Hiroshima

茶室研究の第一人者・中村昌生が設計した“禅と庭のミュージアム”内の二つの茶室。中根金作作庭の露地庭も。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

神勝寺茶室“秀路軒”“一来庵”庭園について

「天心山 神勝寺」(しんしょうじ)は造船大手“常石造船”の社長・神原秀夫が開基となり1965年(昭和40年)に創建された臨済宗建仁寺派の禅寺。その境内に、2016年に『神勝寺 禅と庭のミュージアム』がオープン。
『足立美術館』で知られる中根金作とその息子・中根史郎が作庭した日本庭園や、建築史家・藤森照信の作品、現代芸術家・名和晃平率いるSANDWICHのアート・パビリオンや茶室研究家・中村昌生による茶室が見られます。

2021年春に3年半ぶりに訪れたのでその写真を更新。
冒頭に出てくる名前の通り、広大な境内に複数の庭園と建築作品と見所が沢山。それぞれページを分けて紹介。

>> 中根庭園研究所・中根史郎による日本庭園“賞心庭”と藤森照信建築“松堂”

>> 中根金作の枯山水庭園『神勝寺 無明院庭園』

>> 名和晃平・SANDWICHのアートパビリオン『洸庭』と庭園

ここでは京都の数寄屋建築/茶室研究の第一人者だった中村昌生さんが手掛けた茶室を中心に紹介。以前は“賞心庭”の中に混ざって紹介してたのですが、『無明院』の庭園も作庭している中根金作が監修した露地もあるので個別に。

■五観堂~花紅苑(2~5枚目)
“賞心庭”を奥に進み本堂の『無明院』へと至る途中にあるのが五観堂。水車を備えた藁葺の小屋と“流れ”のある庭園を眺めながらうどんを召しあがることができます。

そしてその奥にあるのが四季の花々が植わった新しい庭園“花紅苑”。その奥には小さなお堂・供養塔も。

■秀路軒(6~12枚目)
江戸時代中期・1788年の天明の大火で焼失した表千家の茶室『残月亭』『不審庵』を中村昌生さんが古絵図から設計・再現したお茶室。追加料金でお茶・お菓子をいただいて休憩することができます。
名前は神勝寺の開基・神原秀夫さんとその奥さんの名前が由来で、茶室の中の仏間に祀られている。

そして露地庭も中根金作が古絵図を元に再現したもの。待合からは枯山水庭園が眺められ、不審庵の庭園ってこんな感じなのかな~というのが味わえる。そして庭園の一角に中村昌生設計の“利休堂”があります。

■一来亭(13~22枚目)
秀路軒から竹林を抜けて、その先にある茶室が“一来亭”。これも中村昌生さんによる再現茶室で、元ネタはかつて京都に豊臣秀吉が造営した“聚楽第”の中で千利休が暮らした“聚楽屋敷”に建てたという茶室。

こちらは先の秀路軒と違い古絵図は残らないものの、表千家四代目・千江岑宗左の残した史料をヒントに再現。こちらは外から眺めるのみですが、露地庭園も歩くことができます。

一来亭の脇にある階段を上っていくと本堂の“無明院”へと至ります。

>> 中根金作の枯山水庭園『神勝寺 無明院庭園』

>> 中根庭園研究所・中根史郎による日本庭園“賞心庭”と藤森照信建築“松堂”

>> 名和晃平・SANDWICHのアートパビリオン『洸庭』と庭園

(2017年12月、2021年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山陽新幹線・福塩線 福山駅より路線バス「神勝寺」バス停下車 徒歩10分/「山南農協前」バス停より徒歩30分
JR山陽本線 松永駅から路線バス「みろくの里入口」バス停下車 徒歩25分

〒720-0401 広島県福山市沼隈町上山南91 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
PICK UP - TOUR / EVENT
MEDIA / COLUMN
最新の庭園情報は約10万人がフォローする
【おにわさん】のSNSから。