東雲公園 吉泉庭・悠泉庭

Shinonome Park Japanese Garden, Izumiotsu, Osaka

重森三玲が大阪市に作庭した“有吉邸庭園”を、泉大津市の70週年記念庭園として移築・再生した枯山水庭園。

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東雲公園悠泉庭・旧有吉邸吉泉庭について

「東雲公園」(しののめこうえん)は泉大津市役所に隣接する都市公園。その中に、重森三玲が大阪市阿倍野区に作庭した枯山水庭園『有吉邸 吉泉庭・友泉庭』を移築・リアレンジした“悠泉庭”が残されています。
たぶん一番フランクに鑑賞できる重森三玲庭園。2017年に初めて訪れた際は子供の遊び場になっていて近寄れなかったけれど(あやしい人になってしまうので…笑)、2019年8月、真夏の昼間の再訪の時はさすがに無人だった。

重森三玲が「有吉邸庭園」の作庭を手掛けたのは1964年(昭和39年)。同年には東福寺塔頭の『龍吟庵庭園』を作庭しています。
この公園に移築されたのは2012年。その個人邸の庭園の取り壊しと泉大津市政70周年を機に、造園家/庭園デザイナー・福原成雄さんのプロデュースの下で『市制70周年記念庭園』として作庭・移築されました。

福原成雄さんの名前は初めて紹介します。イギリスの王立のKew Gardensで日本庭園の作庭を手掛けたり、海外のフラワーショーでの受賞実績も多数、海外での作庭実績が多いことから“日本庭園の伝道師”とも言われるそう。
そんな方も日本庭園におけるキャリア序盤は中根金作さんの率いた中根庭園研究所から。京都『知恩院方丈庭園』や堺市『妙國寺庭園』の修復なども手掛け、南河内の庭園を研究分野にされていることも泉大津のこのプロジェクトにも繋がってたのかな(『岸和田城庭園“八陣の庭”』の保存委員でもある)。

どんな有名な造園家が造られた庭園であっても、庭園が残り続けることは難しい。“(元は資金力のあった)個人邸”と“市民の公園”では置かれた環境や期待値は異なるにせよ、まずはこのように残されて人の目にふれることは喜ばしいことだなあと思います。岸和田と泉大津は南海急行で1駅。岸和田城“八陣の庭”を訪れる際はあわせてこちらも!

(2017年2月、2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

南海本線 泉大津駅より徒歩6分、松ノ浜駅より徒歩8分

〒595-0026 大阪府泉大津市東雲町9 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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