新藤氏庭園

Shindo-shi Garden, Ashikaga, Tochigi

「足利の文化財一斉公開」で一般公開…3つの足利市の国登録名勝の一つで、日本国内でも他に例を見ない高低差と“深さ”が圧巻の隠れた名庭園!(通常非公開)

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新藤氏庭園について

【通常非公開】
「新藤氏庭園」(しんどうしていえん)は足利市で国登録記念物(名勝地)に選定されている3つの庭園のうち1つ。明治時代に作庭され、日本国内でも他に類を見ない「高低差」ある庭園が残ります。
現在も個人の住宅であるため通常非公開ですが、例年秋に開催される『足利の文化財一斉公開』でときおり特別公開があります。

江戸時代から足利で織物業を営んでいたという新藤氏の邸宅に明治時代末期に造られた池泉回遊式庭園。
…ただ、池泉回遊式庭園と言っても、この面積でここまでダイナミックに高低差のある庭園はこれまで見たことがなかった。写真で「高低差がある」ことは認識していたけど実際に見ると圧巻!(5メートルと言われてもピンと来ないけど目の当たりにすると「この構成すげえ」という感想ばかり浮かびました)

邸宅自体がちょっとした台地の上に建っていて、入場門はその台地のふもと。なので外からはここまでの段差があるとは感じられないのですが。実際に中に入ると、その台地を掘り込んで造られたような庭園が現れます。

これはすげええええと感じたポイントを箇条書きにすると、

●個人の住宅で、かつこの面積でここまで高低差のある庭園は今まで見たことがない
●ダイナミックに積み重なった岩や水の流れは、渓谷のような景勝地を表現しているように思える
●更に台地の上にある邸宅の2階から庭園を眺めると、その「深さ」がすごい
●ここまで「高低差」で変わる景色を楽しむ庭園はこれまでなかった

…という点でしょうか。中腹にある四阿からの景色はまた趣が違い、池の底から高さのある滝口を眺めると深山幽谷の世界観を味わえる――。

足利のほか2つの国登録名勝と類似性があると思いきや、全然違う(類似性があるとすると岩の多さぐらいか…)。むしろ印象が近いのは栃木県指定名勝の景勝地『行道山浄因寺』を登った時の風景かも――。主屋(離れ)からは庭園の深さも印象的ですが、遠くの山並みも見渡すことができて本当に素敵な場所だった。2018年最も印象に残った庭園の一つ!

このときの「足利文化財一斉公開」ではこの新藤氏庭園がメインビジュアルにも使われ、推し会場の一つだったようなので多くの人が訪れていました。
ちょうど紅葉もきれいな季節でもありましたが、別の花が咲く季節にも見てみたいな(文化財一斉公開イベントは例年秋に行われているようなので、難しいかもしれませんが…)。あと今回は快晴で写真は影も多いので、曇りの日や少し日が下がった時間にもまた見てみたい…!

(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR両毛線 山前駅より徒歩約10分(スポーツクラブ山前が目印)
JR両毛線 足利駅/東武伊勢崎線 足利市駅より約5km(観光案内所にレンタサイクルあり)
足利市駅より路線バス「山前小前」バス停下車 徒歩5分(本数少ない)

〒326-0846 栃木県足利市山下町1281 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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