中山道と甲州街道の交わる宿場町“下諏訪宿”。旅籠だった明治時代の商家建築を活用した資料館の、諏訪大社下社秋宮の森を背後にのぞむ令和の庭園。
宿場街道資料館“諏訪の歴史と自然の庭”について
「宿場街道資料館」(しゅくばかいどうしりょうかん)は中山道六十九次の29番目の宿場町「下諏訪宿」の旅籠・町家を活用した資料館。『下諏訪町立歴史民俗資料館』として1987年(昭和62年)開館。令和年度に作庭された新しい和風庭園“諏訪の歴史と自然の庭”があります。
『諏訪大社下社』の門前町であり、現代では温泉地として有名。また中山道の宿場町&甲州街道の終点にあたる宿場町だった交通の要衝・下諏訪宿(下ノ諏訪宿)。下諏訪駅から徒歩10分程の場所に旅籠が立ち並んだ往時の雰囲気を残す町並みが残ります。
その中で格子戸を残す商家建築を活用して開かれているのが宿場街道資料館(その格子戸は「縦繁格子」という下諏訪宿特有のデザインなのだとか)。江戸時代には中規模の旅籠として営業されていた建物で、現在残るのは明治時代初期(明治10年頃)に再建されたもの。火災の後に元の姿に復旧したものだそうで、近代らしさというよりは“江戸時代の旅籠の面影”が感じられる空間となっています。
館内ではその名の通り館内では中山道で最大規模だったという下諏訪宿の当時の賑わいや様子を説明する各種資料が展示。
この資料館の一つの特徴が、中山道側(商家自体の玄関口)〜建物〜中庭〜甲州街道側(裏門)が下諏訪町オフィシャルの「歴史のこみち」として自由に通り抜けられるようになっている点。
そんな歴史のこみちを彩るため、2019年(令和元年)に新たに作庭された庭園が「諏訪の歴史と自然の庭」。その園路は中山道の和田峠越えの山道や諏訪大社へと至る大社通りの石畳、そして冬場の諏訪湖で氷がひび割れる“氷砕敷”を表現。資料館のお座敷から眺めると諏訪大社下社秋宮の森が借景となっています。諏訪大社下社秋宮を訪れた際にはぜひこちらも立ち寄ってみて。
(2023年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)