清水氏庭園

Shimizu-shi Garden, Kasaoka, Okayama

2023年、新たに国の文化財庭園に。海岸の岩礁を造形に活かし江戸時代初期に作庭され、重森三玲を支えた作庭家・齋藤忠一が見出した、石好きは必見の庭園。

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清水氏庭園について

【通常非公開/春・秋に特別公開あり】
「清水氏庭園」(しみずしていえん)は岡山県笠岡市にある国登録記念物(名勝地関係)の国・文化財庭園(2023年に登録)。
かつての海岸線を活かした築山・石組がド迫力の庭園。個人邸のため通常非公開ですが、国登録名勝となって以降は春・秋に特別公開日が設けられているほか、笠岡市観光協会の企画でときおり特別公開イベントが実施されています。詳しくは笠岡市観光協会のサイトをチェック。

古くから笠岡湾の干拓・埋立によって陸地を広げてきた笠岡の街。江戸時代には備後福山藩の領地として陣屋が置かれました。

この庭園の位置する金浦地域は岡山〜福山を結ぶ旧鴨方往来の通り沿いにあり、また所在する「生江浜」地区はその名前の通りかつては海岸線のあった場所。四代目福山藩主・水野勝種(水野勝慶)により埋め立てが進み、1669年(寛文9年)に生江浜新田の干拓堤防が完成。現在清水家のある場所は干拓事業を担当した福山藩の奉行の陣屋が置かれた場所だったと伝わるそう。現在も石塀の前には堀のような水路があり、海へと通じていた面影が感じられます。

そして清水家は「矢掛屋」の屋号で代々笠岡で回船問屋を営んでいた商家で(※屋号の通り伝承では元は矢掛町の出?とか)、干拓によって開かれた生江浜のこの地には元々別邸が造営。江戸時代後期にこの地に本邸を移し今日に至ります。

その当時、江戸時代初期に作庭され300年以上の歴史を重ねているのがこちらの庭園。その池泉回遊式庭園の特徴は、元々海岸線だった岩礁を石組・築山・池の護岸として活かしている点(更に岩礁を削り園路も作っている)。その中にマツ、ツツジを中心とした海沿い/潮風に強い植栽が残る、青々とした庭園となっています。

「海沿い」の庭園、「石組がすごい」庭園は各地にありますが、これだけの「海岸線をそのまま石組とした」庭園は無いし、他の山陽地方のお庭にもあまり似たタイプの庭園がない、その施主と作り手のアイデア/独創性も◎!
なお「北山」と名付けられたこの山の向こう側には福山藩主によって創建された『菅原神社』が位置します。

いち民家のお庭だったこの庭園に出会い、「これは文化財レベル、それも市の文化財とか言うレベルではない」と言ってフックアップされたのが、昭和時代を代表する作庭家・重森三玲に師事した作庭家・齋藤忠一で、現代まで一部改変されていた点を復元。そう、岡山県は重森三玲の故郷でもある。「石」好きなら見逃せない庭園。

(2024年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山陽本線 笠岡駅より2.5km(徒歩30分/駅前の観光案内所にレンタサイクルあり)
JR笠岡駅より路線バス「土手」バス停下車 徒歩3分

〒714-0055 岡山県笠岡市生江浜551 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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