レトロな町並みが残る長浜の城下町/門前街で江戸時代中期に建築された“長浜最古の町家”の京町家風庭園。国登録有形文化財。
湖北観光情報センター(旧四居家住宅)について
「旧四居家住宅」(きゅうよついけじゅうたく)はかつて羽柴秀吉(豊臣秀吉)が治めた城下町・長浜の中心商店街に江戸時代から残る“長浜最古の町家”。長浜市が運営する「湖北観光情報センター」として活用されており、長浜町家の庭園が残ります。
2022年7月に1年数ヶ月ぶりに長浜へ。長浜の庭園を紹介する冊子『ながはまのお庭』を以前いただき、こちらを参考にいくつかの町家の庭園を巡るのが目的でした。先に紹介した『文泉堂』や国指定名勝の『大通寺庭園』から程近く、長浜市を代表するお祭り『長浜曳山祭』を紹介する博物館「曳山博物館」に隣接する町家が「湖北観光情報センター(旧四居家住宅)」。
かつて油商を営んだ商家の自宅兼店舗として江戸時代中期(1700年代)に建築。門前街・宿場町としての古い街並み、歴史的な商家・町家が数多く残る長浜で数少ない国登録有形文化財の町家で“長浜最古の町家”とも言われます。(これは明治時代はじめに起こった長浜大火で多くの町家が焼失した中で、四居家は幸運にも焼失を免れたため)
その特徴は外観面では長浜で5軒しかない“うだつのある町家”のうちの1つ。また内部構造は京都の町家(京町家)との類似性が多く見られるとか。京都も江戸時代にたびたび大火に見舞われて江戸時代中期以前の町家というのは限られるため、京都の町家をモデルとして広まった“京都型町家”の古い事例としても貴重なのだそう。
床の間のあるお座敷〜蔵との間に庭園(中庭)が残ります。いわゆる“町家のお庭”といった感じで、建築同志を行き来する飛び石の脇に大小の石造物や植栽が見られます。
四居家は江戸時代後期に一度大きな改修があったそうなので町家ができた江戸時代中期からの庭園が残ってるとは言い切れないけれど、庭のサイズにしては大きな主木のマツは100年単位の歴史を感じさせるし、その脇の石灯籠も庭のサイズにしてはとても大きい!
町家の中では名前の通り観光情報を得ることができるほか、ここで紹介したような“長浜町家”の建築に関する解説パネルなどを閲覧することができます。長浜の街歩きの休憩場所としてもどうぞ。
(2022年7月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)