洗心庵庭園(洗心苑)

Senshinan Garden, Yamagata

山形の中心市街地に岩城亘太郎が作庭した、自ら“東北一の庭園”と称した池泉回遊式庭園。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

山形県緑町庭園文化学習施設「洗心庵」について

「洗心庵」(せんしんあん)は『ホテルニューオータニ東京』の庭園や『赤坂離宮』の和風館庭園を手掛けた、昭和の東京を代表する造園家・岩城亘太郎により作庭された庭園を持つ施設。
山形市のシンボル的存在『文翔館』からほど近く、文翔館と同じく山形県生涯学習文化財団が運営する施設として“山形県緑町庭園文化学習施設”というキャッチフレーズが付いています。昨年秋にも訪れたのですが、ちょうど休館日に当たってしまいまして――2019年のGWにリベンジ訪問!

この池泉回遊式庭園『洗心苑』は元は“山形のドン”と言われた実業家・服部敬雄氏の邸宅の庭園として作庭されたもの。この方についてはググると色々エピソードが出てきて面白い…ので検索にまかせて割愛。
服部敬雄氏が亡くなられた後に山形県に寄贈され、2013年より一般公開を開始。邸宅は取り壊されて現在のモダンな建築は“文化交流施設”として新築されたものですが、その庭園は残されて公開にあたりきれいに再整備されました。

岩城亘太郎本人が“東北一の庭園”と称したというこの庭園――規模は先述の庭園程大きくはないのですが、その中でゆるいアップダウンと流れが美しく表現されている――4月に見た『東山旧岸邸』に続き岩城千太郎作品を堪能……ちょうどノムラモミジがきれいだったのですが、山形の中心市街地でこれだけの樹木を用いた庭を残すあたり、服部家の影響力も感じる。

岩も地元・蔵王の蔵王石を中心に、秩父の青石や伊豆の天城石なども多く用いられており、燈籠も豊臣秀吉の命で朝鮮から大阪城に収集された“太閤朝鮮燈籠”や田中光顕伯爵が明治天皇から拝領したという“御所円筒形守柱”など由緒あるものも。
面白いなあと思ったのは、岩城が作庭を手掛けた『扇湖山荘』の元所有者・長尾欣也(長尾欽弥?)の邸宅の庭園にあったという「不老門」石柱。長尾家の庭園は扇湖山荘以外にもあったそうなのですが、現在は扇湖山荘以外は残されていない。無くなるのを惜しんで、この場所に持ってこられたんだろうか。

建築も新たに新築されたものではありつつも、庭園の雰囲気にマッチした和風モダンな建築で――その木材も県産のものを用いられているそう。設計は地元山形の本間利雄設計事務所。完全に和風な雰囲気の離れも新築されたものとは意外。広めに造られた多目的ホールではアートの展覧会なども開催されているそう。それにしてもこの庭園が無料で公開されてるとは――山形太っ腹…!山形観光⇒庭園というイメージは薄いかもだけど、観光にもオススメの場所!

(2019年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山形新幹線 山形駅より徒歩約30分(※駅にレンタサイクルあり。冬季休業)
山形駅より路線バス「北高前」バス停下車 徒歩2分

〒990-0041 山形県山形市緑町1丁目4-28 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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