
日本で唯一、重要文化財の本陣/脇本陣が現存する国重要伝統的建造物群保存地区・矢掛。矢掛町指定重要文化財(天然記念物)のクロマツに注目の寺院庭園。
専教寺庭園・臥龍松について
「一乗山 専教寺」(せんきょうじ)は国選定の重要伝統的建造物群保存地区「矢掛町矢掛宿」の町並みにある浄土真宗本願寺派の寺院。境内にある「臥龍松」が矢掛町指定重要文化財(天然記念物)。その傍らには池泉鑑賞式庭園も。
ローカル線の井原鉄道の駅から徒歩10分程、2020年に重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定された岡山県・矢掛の古い町並み。現代には幹線から外れましたがかつては山陽道(西国街道)の宿場町として栄え、約1kmの区間に江戸時代~近代の古い町家/商家/そしてレトロな建築がズラリと並びます。ちなみに江戸時代初めにこの矢掛を含む備中国を治めたのは庭園でも有名な小堀遠州。遠州の書状にも矢掛は登場したとか。
そんな矢掛宿には大名や幕府役人など要人が宿泊所・休憩所とした本陣の『石井家住宅』と脇本陣『髙草家住宅』が江戸時代の姿のまま現存。いずれも国指定重要文化財で、『本陣と脇本陣が共に重要文化財クラスで現存』しているのは日本全国で見ても矢掛だけ!と言う貴重な場所。
その矢掛の町並みの一角に位置する寺・専教寺。創建は江戸時代初期の1641年(寛永18年)。京都から矢掛へ移り住むことになった佐藤浄金という人物が、矢掛には自らが信仰する浄土真宗の寺院がなかったことから、自ら願い出て開山。
お寺の場所は創建時から変わらず、矢掛町指定重要文化財(天然記念物)のクロマツ「臥龍松」は推定樹齢300~400年とされるので、おおよそ創建と共に植樹されたマツということに。その名が付けられる通り、龍の胴体のように北側へ伸びた枝はなんと20メートル!
そんなマツと向かい合うように池泉鑑賞式の庭園があります。特に言われがあるお庭ではないものの、手前の石橋と奥の三尊石組を中心に、中島のよくお手入れされたマツやサツキ等がきれいに刈込まれた姿が印象的な庭園。
近年、町や村全体をホテルに見立てたまちづくりをする“アルベルゴディフーゾ”(まちごとホテル)の取り組みでも注目を集めている矢掛。宿泊した際の朝の散歩先としても。
(2023年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
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