飛騨&美濃国を治めた大名・金森長近の菩提寺の庭園は孫&茶道宗和流の祖・金森宗和の作庭。美濃市指定名勝。
清泰寺庭園について
【事前連絡推奨】
「安住山 清泰寺」(せいたいじ)は美濃の城下町に残る室町時代創建の寺院で、戦国時代後に飛騨国&美濃国をおさめた大名・金森長近の菩提寺。
その庭園は養子・金森可重の長男であり、茶道宗和流の祖・金森宗和による作庭と伝わります。美濃市指定名勝。宗和は京都の『大原三千院』や『龍安寺石庭』の作庭者の候補にも名前が挙がる作庭家でもあります。
2019年夏に初めて“うだつの上がる町並み”で知られる重要伝統的建造物群保存地区・美濃市美濃町へ行きました!目的はその金森長近の築いた城下町の古い町並みと、この寺院。町並みからは長良川方面へ徒歩5分ほど。
創建されたのは金森氏が入る以前の1563年(永禄6年)。鉈尾山城主・佐藤清信が佐藤家の菩提寺「保寧寺」として建立。その後「以安寺」と改められた後、関ヶ原の戦いを経て1605年(慶長10年)に美濃に入った金森長近により小倉山城から近い現在地に移され寺名も改められました。それ以降は当地の臨済宗妙心寺派の大寺院として栄え、美濃には20以上の末寺が残るそう。
本堂の裏に美濃市指定名勝の庭園が残ります。なお美濃市のサイトに“常時見学は不可”とあるので拝観可能かは事前に電話で都合の確認を。金森宗和作庭とされる庭園は書院から眺められる池泉鑑賞式庭園。
…正直訪れた時にはどこからどう眺めるのが正解かわからなくって、写真を見直しても飛び石の写り具合も微妙、意識がいってた池泉の写り具合も微妙なんだけど。金森宗和が茶人であることを踏まえるともう少し建物側から飛び石に目線を落とすべきだったのかも、と今思う。
同じく宗和が手掛けた岐阜県指定名勝の『禅昌寺庭園(萬歳洞)』と共通点が見られるそうでーーそれを踏まえても建物側から山の斜面への目線が正解だったんだろうなあ。美濃市の公式サイトのような視点。なんかちょっとそんな反省点しか出てこないので再訪したい。
境内には立派な本堂や庫裡(文化財指定受けていないみたいだから現代に改築されているんだろうか)、そして金森長近をまつった「金森権現社」なども。そして岐阜市の『大智寺庭園』と同じく参道の土塀のデザインがかっこいいので、そちらにも注目!
(2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
長良川鉄道 美濃市駅より徒歩15分強(※駅にレンタサイクルあり)
長良川鉄道 梅山駅より徒歩13分
高速バスや名鉄岐阜からの路線バス「美濃市役所前」バス停下車 徒歩4分
〒501-3742 岐阜県美濃市殿町1439-1 MAP